自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
自転車好きは鉄道好き?
世田谷線に沿ってゆったり走る。
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2010/06/18 06:00
今回のツーリングは「鉄道に付かず離れず」という自転車コースを行こうと思うのだ。
邪道? いや、これ、そんなに邪道ではありませんでしてな。ほんとのところ、自転車と鉄道は、非常に親和性が高い。
というか、このコラムを読んでいる方って、もちろん自転車が好きな人が多いと思われるんだけど(そりゃそうだ)、でも、同時に、いかがですか? 鉄道好きじゃないですか?
おそらく、即座に「好き」とこたえられる人が5割。残りの5割も「まあまあ好き」だと思うのだ。
少なくとも「嫌い」という人はゼロだろう。
だいたいこのコラムに出てくるフォールディングバイク(小径車)というのも「いざとなったら折りたたんで電車で運べるぞ」というのが魅力の一つ。
また「エコ」という観点からも両者の親和性は高いし、だからこそ、ヨーロッパ諸国は都市交通の主役を次々に「自転車+路面電車」に据えつつあるわけだ。
「日本のコペンハーゲン」へ行ってきた。
そうそう、こんなことを書くのは、つい先日「日本のコペンハーゲン(を目指す)」富山市に行ってきましてな。
富山市、すごいね。
まだ始まったばかりながら「エコシティ」という意味では間違いなく日本の最先端を行ってる。
いまや路面電車が市民の足として復権。中心街には環状路面電車「セントラム」があり、そこから放射状の路面電車が郊外に向かってのびている。
また、そこに導入された“シクロシティ富山”というフランス型のレンタル共有自転車だ。
こうした共有自転車については、私は実はかなり懐疑的なんだけど、いずれにせよ、この街が、環境都市を目指している、ということをアピールするには十分魅力的だった。
その「エコシティ」の象徴こそが、路面電車。
しかし、誤解してもらっちゃ困るのは「昔懐かしい路面電車」なんかではない。ヨーロッパ式の最新型低床式トラム「Light Railway Transit(LRT)」である。つまりはモダンで(つまりカッチョいい)、低電力型で(つまりエコ)、室内の広い(つまり大量輸送に向いている)ヨーロッパ型のあれなのだ。