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全国屈指の逸材が集結する福岡大会。
甲子園を沸かせるエースは誰だ?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/07/24 12:00
東福岡のエース左腕・森雄大。低めから伸びてくる最速148キロの直球に加え、カーブ、スライダー、チェンジアップと変化球の制球力も抜群。福岡大会には12球団のスカウトが集結し、熱い視線を送る。
九州勢は'08~'11年の4年間、春、夏の甲子園大会で次のような成績を残している。
'08年 春/優勝:沖縄尚学(沖縄) 夏/ベスト4:浦添商(沖縄)
'09年 春/優勝:清峰(長崎) 夏/ともにベスト4:明豊(大分)、都城商(宮崎)
'10年 春/優勝:興南(沖縄) 夏/優勝:興南(沖縄)、ベスト8:九州学院(熊本)
'11年 春/準優勝:九州国際大付(福岡)
沖縄、長崎、大分、宮崎、熊本、福岡と九州全土に活躍校が分布しているのがわかる。そして、'08年は東浜巨(沖縄尚学・投手)、伊波翔悟(浦添商・投手)、'09年は今村猛(清峰・投手)、今宮健太(明豊・投手&遊撃手)、'10年は島袋洋奨(興南・投手)、'11年は三好匠(九州国際大付・投手)、高城俊人(九州国際大付・捕手)と、好選手とセットで甲子園を沸かせているのも特徴的である。
そして今年、プロが狙うような好選手を擁する強豪校をキーワードに全国に目をやると次のような学校に目が行く。
光星学院(青森)……田村龍弘(捕手)、北條史也(遊撃手)
花巻東(岩手)……大谷翔平(投手)
愛工大名電(愛知)……浜田達郎(投手)
大阪桐蔭(大阪)……藤浪晋太郎(投手)、田端良基(一塁手)
智弁学園(奈良)……青山大紀(投手)、小野耀平(外野手)
九州国際大付(福岡)……龍幸之介(外野手)
東福岡(福岡)……森雄大(投手)
九州学院(熊本)……萩原英之(外野手)、溝脇隼人(遊撃手)
神村学園(鹿児島)……柿澤貴裕(投手)
私の思い入れが強いのか、九州に注目校が多く集まってしまった。九州に地縁はないので、客観的な評価だと思ってほしい。
プロ注目の2人の投手、東福岡・森雄大と福岡工大城東・笠原大芽。
前回では岩手、群馬、東東京、大阪、福岡の5つの都県を注目すると述べ、「福岡大会については次回で書こうと思っている」と書いたので、大雨の隙を突くようにして行なわれた福岡大会のありのままを書いていくことにする。
7月9日から4日間、佐賀大会を含め、観戦したのは次の8試合だ。
7/ 9 福岡第一×福岡水産
7/10 鳥栖×唐津南、鹿島実×唐津青翔、伊万里農林×唐津商
7/11 沖学園×福岡工大城東、宗像×山門(4回降雨ノーゲーム)
7/12 東福岡×香住丘、浮羽究真館×城南
この中でプロが注目するのは、森雄大(東福岡・投手)、笠原大芽(福岡工大城東・投手)の2人だ。大会前から高校野球の専門誌などで騒がれていたので、ご存じの方もいると思う。