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「朗希ならやりかねない。でも…」ロッテの守護神・益田直也が忘れられないあの登板…完全投球の裏で冷静に進めた準備「投げたくはなかったけど(笑)」 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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posted2025/03/27 11:03

「朗希ならやりかねない。でも…」ロッテの守護神・益田直也が忘れられないあの登板…完全投球の裏で冷静に進めた準備「投げたくはなかったけど(笑)」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

通算250セーブは目前。新シーズンに挑むロッテ・益田

「あれは特別。今では誇りです」

 試合は結果的に延長戦で敗れている。ファイターズが記録した安打は1本。それが途中出場した万波中正の本塁打だった。異様な雰囲気に包みこまれた試合は、奇妙な形で幕を閉じ、球史の記録としては忘れられてしまった。

 ただ、益田にとっては今も忘れられない試合だ。プロ通算250セーブまであと7セーブ、プロ通算800試合まで53試合としているレジェンド右腕は、あの日のマウンドを大事な思い出として捉えている。

「いい経験をしたと思っています。あれは特別。8回まで先発がパーフェクトで投げて、9回に登板するシチュエーションというのはなかなかない。しかもその先発投手は1週間前に完全試合をしている。これは絶対にない。その次に投げることが出来たというのは、今では誇りです」

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 もしそのまま佐々木朗希が続投していたら……。益田は「朗希ならやっていたと思います」と言う。ただ冷静な自己分析では「あの状況では、自分が投げるのだろうなあというのは想像できます。投げたくはなかったけど」とほほ笑む。

通算250セーブまで「7」

 今年もまたペナントレースが開幕する。誰も想像しなかった展開が待っていたり、見たこともないような名場面が生まれる。それがプロ野球のドラマだ。マリーンズのリリーバーは今年もまた、ちょっとうす暗いブルペンの中でさまざまな状況を頭に巡らせ、心を休めることなく待機している。

 パーフェクトデーはない。その準備された心がここまでの栄光を作り上げてきた。時には不安や恐怖と向き合い、時には投げたくないようなシチュエーションの中でも堂々とマウンドに上がる。名球会入りを目の前にした背番号「52」のプロ14年目が始まる。何が起こるか分からない、そんな1年が始まる。

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