プロ野球PRESSBACK NUMBER
「ビデオ通話の向こうでドジャースの帽子を…」佐々木朗希を慕うロッテの20歳右腕が語る「野球以外の余白がない」“朗希先輩”のストイック素顔
posted2025/02/12 11:02

佐々木朗希を慕う後輩の田中晴也(右)
text by

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
SANKEI SHIMBUN
一緒に食事に行くようになったのはプロ2年目の2024年からだ。沖縄・糸満キャンプ中に寿司に誘われた。それからよく食事を共にするようになったが、行先は決まって寿司屋だった。
「朗希先輩」との思い出
プロ3年目を迎える田中晴也投手は、ドジャース入りした先輩・佐々木朗希投手との思い出を大切にしている。
「ボクもお寿司、好きですと言ったら、よく誘ってもらえるようになりました。食事中も野球の色々な質問をさせてもらいました。練習の事とか調整の事とかリカバリーの話とかをさせてもらいました」
ADVERTISEMENT
初めてそのボールを見た時の衝撃は忘れられない。プロ1年目の2023年。まだ一、二軍全体で石垣島でキャンプを行っていた時だ。佐々木朗希がブルペンに入るとコーチから「見に来てもいいよ」と声をかけられた。キャッチャーの後方から静かに見つめたそのボールに衝撃を受けた。思わず息をのんだ。
「想像以上に凄かった。ちょっとレベルが違うと思った。ヤバい。ストレートはもちろん速いんですけど、フォークが真っすぐのようにストンと落ちる。これは打てるわけないな、と思いました」と振り返る。
「朗希と同じプロセス」を歩んで
力強いストレートを持つ田中晴を吉井理人監督はルーキーイヤーから注目し、育成プランを練ってじっくり育てている。1年目は身体作りを優先して一軍での登板はなし。2年目はイニングを限定して一軍デビューさせた。それは佐々木朗希が歩んできたものと同じプロセスだ。だから2年目の春季キャンプでは、あえて佐々木朗希と同じ組で練習メニューを消化させた。間近で見ながら練習姿勢や野球に取り組む考え方を感じ取って欲しいという指揮官の想いだった。田中晴が語る。
「1年目は正直、ほとんど朗希さんとは話をする機会がなかった。でも2年目のキャンプで一緒の組でまわらせてもらって、そこで色々な会話をさせてもらいました」