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「ひねくれ者同士」久保建英と鎌田大地だが…じつは熱い内面“KKコンビ”の相性抜群な素顔「え、普通でしょー(笑)」〈サウジ戦スタメン予想〉
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/03/25 11:02

鎌田大地と久保建英。「ひねくれ者同士」とは久保の表現だが、この笑顔からはサッカー好きの素顔が見て取れる
選手交代時に選手と監督が熱く握手をかわすシーンはしばしば映像で切り取られるが、実は、彼らが握手をかわさないことも少なくない。自分のチームがリードを奪っているときをのぞけば、監督はピッチ上の選手に向かって指示を送っており、交代選手と握手をかわす余裕がないことはざらにある。バーレーン戦でも鎌田が交代で入るときのスコアは0-0のまま。森保監督は交代選手のほうではなく、ピッチに向かって必死に指示を送っていた。
だから、背後から呼びかけられた森保監督の背中がビクンとしたように見えた。ただ、その直後、鎌田が差し出した右手を、森保監督は力を込めて握り返した。
「え、普通じゃないすか? 普通でしょー」
鎌田はチームのために戦う、熱い気持ちは常に持っている。試合で上手く活躍できない時期があれば、プロになった今でも自宅の外で走り込みを続けるような男である。
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とはいえ、これまでの鎌田は日本代表のなかでも、そうした姿勢を隠したままでプレーしてきた。それは、それまでのキャリアのなかで、自分の本質に目を向けずに勝手な評価を下してきた人たちがあまりに多かったことへの反動でもあったはずだ。
しかし、バーレーン戦では違った。
自らともに戦うチームの一員として、わざわざ監督を呼び止めてまで握手を求めに行った。そんなところにも、鎌田の変化は表れていた。
もっとも、試合後に鎌田にあの場面について尋ねると、涼しげな表情で返ってきた答えはいつものようなものだったのだが。
「え、普通じゃないすか(笑)? 普通でしょー」〈第1回からつづく〉
