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“清原和博の長男”慶大・清原正吾のドラフト指名はあるのか?「面白おかしく話すのではなく…」小笠原道大に聞く“本当の可能性”「特別扱いはない」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/23 11:53
ドラフト指名の可能性が浮上している慶應大の清原正吾。今秋の六大学野球のリーグ戦では2本塁打を放っている
――ショートを守れる選手はプロ入り後も「つぶしがきく」イメージがあります。
小笠原 キャッチャー、ピッチャー、センターも含めたセンターラインのなかでも、二遊間はまず守備と足がいい「動ける選手」であることが求められます。多くの場合、そこから経験を重ねて打つ方の能力を上げていく。宗山選手のようにプロ入り前の時点でバッティングもいいショートはなかなかいない。指名が重複するのも必然でしょう。
清原正吾の“本当の評価”「面白おかしくは話さない」
――もうひとり、ドラフト上位候補ではないですが、大きな注目を集めているのが清原和博さんの長男・清原正吾選手(慶應大)です。中学ではバレーボール部、高校時代はアメフト部と、6年間野球から離れていながら、慶應大の4番を打っています。
小笠原 ポジションはファーストですよね。……清原選手について面白おかしく話すべきではないと思いますし、周りにもそう扱ってほしくないんですが、大前提として、彼はすごく真摯に野球に向き合っている。でなければブランクがあるなかで六大学野球の4番は打てない。そのうえで、各球団が現状の彼をどう評価するか。一般論ですが、長打力のある右バッターがほしいところはリストアップする可能性はあると思います。
――あくまでも現実的に、ということですね。
小笠原 加えて、長打力はあるけれど、プロに入ったときの伸びしろ、潜在能力がどうなのか。スカウトはその要素を見ますよね。体の使い方や肩の強さ、サードやレフトでもいけるのかという点です。足がすごく速い必要はないけれども、スムーズに足を動かせるのか。そういったポイントを精査して、自分の球団の戦力に当てはめていく。さらに言うなら、「絶対に将来のレギュラーで」と考えるのではなく「もしかたらハマるかもしれない」という期待値で取る場合もある。一皮ではなく、三皮も五皮も向けて一人前になってくれれば、と。そういう球団があれば、指名するでしょうね。