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大谷翔平「50-50」達成につぐ「二刀流復活」への“虎の穴修業”とは? 重さの違うボール、データ解析…ナゾ企業が授けた「ルーティーン」の秘密
posted2024/09/27 11:03
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph by
Getty Images
50本塁打に加えて50盗塁という前人未到の「50-50」を達成したロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手。連日、メディアで報じられる活躍の様子はもはや殊更、述べるまでもないだろう。
そんな大谷だが、いまから4年前、最初のトミー・ジョン手術からの復帰となった2020年シーズンはドン底の結果だった。この年の大谷はDHとしての出場は40試合に留まり、打率は.190。本塁打もわずかに7本だった。投手としても、ケガからの復帰直後だったとはいえ先発は2試合だけで0勝1敗。防御率は実に37.80。シーズン中に右腕を痛めて途中離脱し、当然現地でも「二刀流など無理なのでは?」と懐疑的な声も上がり始めていた。
結果的にその後、3シーズン連続で投打ともに結果を残したことで、そんな懐疑的な声は立ち消えていった。
その躍進のウラにあったのが、20年オフに訪れた「ドライブライン・ベースボール」だった。
スランプ脱出の要因にもなった「ドライブライン」とは?
「大谷選手が来てくれたことで他の日本人選手たちも興味をもってくれましたから、その意味ではとても大きな意味があったと思います」
そう語るのはドライブラインのアジアマーケティングを担当する日本人スタッフの榎本詩生氏だ。榎本氏は現在、ドライブラインのアジア進出のための業務に従事するとともに、日本のNPB選手らが現地に来る際にはそのアテンドなども務めているという。
「すでに各メディアで報じられていますが、ドライブラインのひとつの特徴は動作解析。選手がシアトルの施設に来た際には、まずはモーションキャプチャを全身につけて、バイオメカニストがデータを計測します。どれだけパワーがあるのかというストレングスの面だったり、柔軟性なども見ますね。それを分析にかけた後、トレーナーと共有。選手の動作に課題点があれば、その改善を目的としたメニューを組んでいくことになります」
こういった分かりやすいスポーツサイエンスの面は目を引きやすいこともあり、すでにテレビや新聞でも報じられている。