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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
なぜ中日は勝てないのか? “4年連続最下位”脱出に必要なものは…「放っておいても出てきます」関係者がこぼした「救世主候補」はあの“苦労人”
posted2025/04/12 06:00

昨季まで3年連続のペナントレース最下位に沈む中日。今季も開幕2週間が過ぎた今、6位と苦しんでいる。そんなチームの救世主は果たして?
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
「まさか」か「やはり」か――今季も中日が苦しんでいる。シーズン序盤とはいえ、またしてもここまでリーグ最下位。3季続けてペナントレース最下位に終わり、井上一樹新監督を迎え「今年こそ」の捲土重来を期した猛竜だが、なかなか悪い流れから抜け出せずにいる。では、キャンプから取材を続けるベテラン記者が見た、復活のための「起爆剤」となりそうなニューフェイスは誰なのだろうか?《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
実は、子供の頃から「ヤクルトファン」だった。
当時は、まだ「サンケイアトムズ」と称していたり、「ヤクルトアトムズ」の時もあったが、とにかく、アトムズなどと勇ましいのは名前だけで、とても弱いチームだった。
「弱小チーム」のファン心理は…?
フランチャイズの神宮球場なども、その頃は、まったくの「学生野球の野球場」であり、フェンスに広告一つなく、あまりにそっけない風景の球場に観客も少なかったから、スタンドだって盛り上がらない。ナイターを見に行くたびに、蹂躙されるような試合展開で、つまり、ボコボコにされて負けてばかり。
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なんとか勝てそうな相手は、まだ「赤ヘル旋風前夜」だった広島カープだけで、それでも9回まで1対0で負けていて、最後の攻撃で、わが福富邦夫外野手が、カープのサイドハンド・竜憲一投手からライトポール際にライナーのサヨナラ2ランを放って勝利した夜などは、信濃町駅までの帰り道が神宮外苑の暗い夜道なのをよいことに、小学生ながら、ひとりうれし涙を流しながら帰ったこともあった。