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「フリー歴代最高の衝撃!」フィギュア新王者“4回転の神”マリニンが語る5回転挑戦「いずれは可能だと思っている」大好きな日本人スケーターは?
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byGetty Images
posted2024/04/03 17:00
世界選手権でフリー歴代最高点を記録して逆転優勝を果たした“4回転の神”イリア・マリニン(19歳)が単独インタビューに応じた
マリニン 僕はいつも、誰とでも仲良くしようとしています。ライバルだからって、喧嘩したり嫌いになる必要はないでしょう? そして日本のスケーターはみんな、とても友好的です。確かに昌磨とは言葉の壁はあるかもしれませんが、それは気になりません。お互いの行動を見て、笑顔を交わすだけでも、言いたいことが分かります。僕はいつも、友だちになる方法を探しています。特に、僕は日本の文化が大好きなので、彼らと、アニメやゲームなどカルチャーのことを共有する時間は楽しいです。試合ではライバルという形になりますが、実際には僕たちはスケートの仲間という意識です。
――今回の世界選手権には来ていませんが、日本のトップスケーターのひとり佐藤駿についてはどう感じていますか?
マリニン 僕は、彼のジャンプテクニックが大好きです。彼のジャンプを初めて見た時に、すぐにこう思いました。「僕に似てる」って。彼はとても回転速度が速くて、跳び上がりのテクニックは特に、僕に似ています。そして今季の彼のプログラムはとてもクラシカルなスタイルで、これは僕にはない魅力を持っていました。とても好きなスケーターです。
5回転ジャンプは、いずれは可能
――来季以降に、再びショートで4回転アクセルを入れることや、5回転に挑戦するなどの計画はありますか?
マリニン 来シーズンにどんな戦略でやっていくかは、決まっていません。ルール変更があるシーズンなので、4回転アクセルの基礎点がどうなるのか、ジャンプのGOE(出来栄え点)がどうなるのか、そのほかさまざまなルールを見て、技術点を最大化するための戦略を考えたいと思います。
5回転ジャンプは、いずれは可能だとは思っています。まずは、4回転から5回転にするために何が必要なのか、条件を考えている段階です。回転速度、高さ、スピード、筋力、何を進化させればいいのか。そして、どの種類のジャンプなら、進化させることが可能なのか。僕の両親は、本当に素晴らしいアイデアを持っているので、新たなチャレンジの助けになってくれると思います。
日本でのショーツアーが終わったら次のプログラムを作ると思うので、新たな目標に向かって走り出したいと思います。
――ありがとうございます。来季の活躍を期待しています。
(2024年3月24日、モントリオールにて取材)