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「え、こんなに筋肉が…」りくりゅう&かなだいの“肉体改造”…シングル時代と比較したらスゴかった「木原は体重20キロ増」「高橋の1日4食生活」
posted2023/04/07 11:07
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
これまで、日本のフィギュアスケートにおいて、男女シングルと比べればどうしても注目度や認知度が高くなかったのがペアとアイスダンスだった。
だがその様子にも大きな変化が生じている。世界選手権でペアでは初めて金メダルを獲得した三浦璃来・木原龍一、アイスダンスで第一線に立ち続ける村元哉中・高橋大輔らの活躍があってこそだ。
ペア、アイスダンスには欠かせない「筋力」
日本のこれまでの歴史を塗り替え、注目に値する演技を見せ続ける背景には、さまざまな努力がある。男性スケーターが取り組んできた“肉体改造”もその1つだ。
以前、日本のスケーターが活躍する要因の1つとして「骨格が向いている」という意見を聞いたことがある。海外の選手と比べて骨格が小さいため、相対的に筋肉がそこまでつくことがなく、華奢であるという点に適性があるからだ、という見方だった。
フィギュアスケートに限らず、柔道など階級のあるスポーツでも「同じ体重でも骨格が違うからパワーは海外の選手の方がある」「骨のつくりが違う」という話を今までに何度か耳にした。そうした対人競技では、パワーの差をどのように克服するかが課題とされてきた。
フィギュアスケートに話を戻すと、先の見方に沿って考えれば、シングルでは日本の選手の身体はメリットではあっても、ペアやアイスダンスでは逆の要素となる。リフトにはじまり、どうしても男性スケーターに筋力が必要となってくるからだ。
日本のペア、アイスダンスの競技者にとっては、まずそこがテーマとなり、課題として向き合わざるを得ない。