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「フリー歴代最高の衝撃!」フィギュア新王者“4回転の神”マリニンが語る5回転挑戦「いずれは可能だと思っている」大好きな日本人スケーターは?
posted2024/04/03 17:00
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Getty Images
モントリオールで開かれた世界選手権(3月20−24日)の男子シングルを制したのは、自称“4回転の神”イリア・マリニンだった。フリーでは4回転アクセルを含む6本の4回転を降り、まさに神がかった演技を披露。彼の進化の源はいったい何なのか――。興奮の冷めやらぬマリニンが、現地で単独インタビューに応えた。
――初優勝おめでとうございます。改めて、金メダルを獲得した実感はいかがでしょう?
マリニン まだ現実味がありません。もちろん、これまで必死に努力して、出来うる限りの練習をしてきましたが、この偉業を実際になしえたことには、本当に驚いています。いま、ひとつ言えることは、自分の夢に向かって何%のエネルギーを費やせたか、自分を何%信じることが出来たかが、結果を左右するということです。今回の僕は、100%だったと言い切れます。
――それでは、演技を振り返っていきたいと思います。ショートプログラムはパーフェクトの演技で、僅差の3位発進となりました。
マリニン 実は、世界選手権の1週間前は、本当に大変な週でした。怪我で練習を休み、試合に出るかどうかを悩むほどの状況だったのです。でも両親と話し合って、どんな気持ちでも、どんな体調でも、ベストを尽くそうと決めて、試合に出ることを選びました。
モントリオール入りしてからは、大会の雰囲気や他の選手たちの刺激で、アドレナリンが出て、怪我を忘れるくらいに気持ちが高まりました。僕より前に滑った(鍵山)優真が素晴らしい演技をしたのも刺激になり、本番は、観客の声援で興奮して、滑りぬく事ができました。今回は、本当に観客に助けられたと思います。
「いま僕は主人公なんだ」という感覚
――フリーでは、4回転アクセルを含む“6本の4回転”を成功させました。4回転アクセルを入れようと判断したのは、いつですか?