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元パティシエが蛍光灯で殴り合い…“デスマッチアマゾネス”山下りなの媚びない魅力「犯罪以外なら何してもいい」 米国で男子相手に王座獲得
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/10/11 17:01
![元パティシエが蛍光灯で殴り合い…“デスマッチアマゾネス”山下りなの媚びない魅力「犯罪以外なら何してもいい」 米国で男子相手に王座獲得<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/b/700/img_6bc42d0cf5bcc8695bf6fce9b9fa0a4e296319.jpg)
アメリカの団体GCWではデスマッチ王座を獲得。日米で注目を集めるデスマッチファイターの山下りな
「好きになってもらおうという感覚は薄い」
そんな山下のファンだったのが、プロレス入りする前のジュリア(現スターダム)だ。「凄いキレイな子が恥ずかしそうに(グッズの)売店に来てくれたのを覚えてますよ」と山下。ジュリアを“お姫様抱っこ”して写真を撮ったのは有名な話だ。当時のジュリアはキャバクラで学費を稼ぎながら専門学校に通っていた。昼は学校、夜は仕事でヘトヘトになった時、力をくれたのが山下だったという。
「媚びないところがカッコよかった」
ジュリアはそう振り返っている。山下によると「ナチュラルに失礼なところがあるからですかね(笑)」とのこと。
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「でもジュリアが好きになってくれた自分のままでありたいと思いますね。媚びてないかどうかは分からないですけど、人に好きになってもらおうという感覚は薄いかもしれない。好きになった相手に自分から話しかけるタイプですね。プロモーターに“試合組んでください、お願いします”みたいに頭を下げたこともないんですよ」
それでも、時には断らなくてはいけないくらいのオファーがある。確かに彼女は、替えのきかない選手になったのだ。竹田誠志が嫉妬するほどの選手など、そういるものではない。
“デスマッチアマゾネス”が見据える未来
デスマッチ大国である日本とアメリカ双方で活躍、シーンの頂点に立つ山下だが“デスマッチクイーン”とは呼ばれたくないそうだ。キャッチフレーズは“デスマッチアマゾネス”である。
クイーンだと女子の中のトップというイメージがあるし、他の選手と同じ椅子=ポジションを争っているつもりもない。
「私はアマゾネスで、アマゾネスは私ひとり。それがいいです」
アメリカ滞在中に携帯電話をなくし、パスポートもなくした。それでもなんとかなるもんですよと山下。クイーンがそれではみっともないかもしれないが「アマゾネスならありじゃないですか(笑)」。
泣き上戸で笑い上戸。引退する選手より先に泣き出すことも、コミカルな試合で笑いが止まらなくなることもある。これからの目標を聞くと「デスマッチアマゾネスであり続けること」と答えた。他の選手と同じものを目指すより、自分自身であることが何よりも大切なのだ。
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