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「受け入れたくない。整理できない…」岩崎優、岩貞祐太ら18年ぶりVの阪神選手が明かす「毎日泣いた」横田慎太郎さんとの別れと“あの日から”
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![土井麻由実](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
土井麻由実Mayumi Doi
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/09/19 11:05
![「受け入れたくない。整理できない…」岩崎優、岩貞祐太ら18年ぶりVの阪神選手が明かす「毎日泣いた」横田慎太郎さんとの別れと“あの日から”<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/7/700/img_47008bea6cc447a98941cbe10228c0e0392271.jpg)
同期入団の横田さんのユニフォームとともに胴上げされた守護神・岩崎
阪神入団時、横田さんには同い年の同期がいなかった。だから4年後、大学を経てプロ入りした熊谷敬宥の入団を非常に喜んでいた。選手寮「虎風荘」からグラウンドに出るとき、そして厳しい練習を終えて引き上げるとき、2人はいつも一緒にいた。
「おまえ、ブサイクやなぁ」、「おまえに言われたら、しょうがないわ」
そんな無邪気な掛け合いも、2人の愛情表現だった。
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「アイツが僕のことを『可愛いねぇ』って言ってきたり、いつもふざけてましたね」
そう振り返って熊谷は、寂しそうに笑う。
「悔いなくやり遂げる」ことの意味
横田さんはよく、熊谷についての“苦情”を訴えていた。きれい好きの横田さんが自室を丁寧に掃除した直後、悲劇が訪れるのだ、と。
「汚しに行ってました(笑)。練習後のジャージのままベッドに上がったり、壁に鼻くそつけたり(笑)」
そんなおふざけをしながらも、熊谷は横田さんことを心から尊敬していた。
「僕は(寛解して)戻ってきてからしか知らないけど、誰よりも早く起きて準備をしたり、野球に対する姿勢は勉強になることだらけでした。ベンチでも大きな声出して、横田がいるだけで明るくなりました」
そんな友の姿を見てきたからこそ、熊谷はより気合いを入れて野球に向き合っている、と話す。
「優勝うんぬん関係なく横田の分まで頑張ろう、すべてを全力でやろうって。今まで以上にそういう気持ちでいます」。
悔いなくやり遂げることの意味は、横田さんが示してくれた。