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「受け入れたくない。整理できない…」岩崎優、岩貞祐太ら18年ぶりVの阪神選手が明かす「毎日泣いた」横田慎太郎さんとの別れと“あの日から”
posted2023/09/19 11:05
text by
土井麻由実Mayumi Doi
photograph by
Hideki Sugiyama
「ビールかけ、1回もしたことないんで……。ビール好きには、たまんないなぁ(笑)」
在りし日の横田慎太郎さんは、こんな言葉を口にしていた。阪神タイガースが、仲間たちが大好きだった。その仲間たちの弾ける笑顔が見られる日が来ることを、切に願っていた。
今年7月18日、脳腫瘍のため28歳の若さでこの世を去った。2017年の春季キャンプ中に脳腫瘍が判明。抗がん剤治療などを受けて回復を目指したが、低下した視力が戻らず、19年に引退していた。あれから4年。タイガースが2005年以来、18年ぶりにセ・リーグを制した。甲子園の夜空から、笑顔の輪を見下ろして、横田さんも一緒に喜びを味わっていたに違いない。いつものニコニコ顔で。
「ザキさん」と慕われた岩崎
「体も大きくて身体能力も高かった。この先、どうなっていくのか楽しみな選手でした。一緒にいるときは、しょうもない会話ばかりしていましたけど」
横田さんの思い出をそんなふうに振り返るのは岩崎優だ。2013年のドラフト会議で横田さんは2位、岩崎は6位で指名され、共にプロの道を歩き出した。4歳年上の左腕のことをいつも「ザキさん」と呼んで慕ってくれた。