松坂大輔「怪物秘録」BACK NUMBER
松坂大輔「松坂世代、プロに集結」(連載32)
posted2023/09/20 09:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Kiichi Matsumoto
大卒で同世代が入ってきたプロ5年目。ライバルたちの存在が刺激となり、16勝7敗の好成績でシーズンを終えることになる。その後のアテネ五輪では、和田毅らとともに頂点を狙う。
プロ5年目の松坂大輔にとって“彼ら”は意識せざるを得ない存在だった。高校から大学へ進んだ同学年のピッチャーたちが2003年、一気にプロの世界へ飛び込んできたのである。新垣渚、木佐貫洋、久保裕也、長田秀一郎、そして和田毅――“松坂世代”のルーキーたちだった。
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あのときのドラフトは気になって、テレビで見ていました。毅と渚は自由獲得枠でホークスから指名されることはわかっていましたが、同じリーグですし、やっぱり刺激になりました。プロでも大学でも4年という時間は平等に与えられていたはずですが、僕はプロでイチローさん、ノリ(中村紀洋)さん、松中(信彦)さんたちと戦って、勝ちを積み重ねて(51勝)きました。だからこそ彼らには絶対に負けたくないし、負けるわけにはいかないという意識が強く働いたシーズンだったと思います。