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「受け入れたくない。整理できない…」岩崎優、岩貞祐太ら18年ぶりVの阪神選手が明かす「毎日泣いた」横田慎太郎さんとの別れと“あの日から”
text by
土井麻由実Mayumi Doi
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/09/19 11:05
同期入団の横田さんのユニフォームとともに胴上げされた守護神・岩崎
同じく同期入団の岩貞祐太も、横田さんの思い出をこう振り返る。
「ヨコの最初の印象はド天然。愛嬌のある、なんかのキャラクターみたいで、4歳差より下に感じました」
一方で、身体能力が高く、野手として三拍子揃った実力には、「あんなスケールの大きい選手、それまで見たことなかった。荒削りというか、これからどんな選手になるんだろうと期待させる動きでした」とそのポテンシャルに大いに驚かされたという。
「技術はものすごい勢いで成長していったけど、人間性は常に謙虚で、人から愛される性格でした。野球に対して真摯に取り組む姿勢も、ずっと変わらなかったですね」
「受け入れたくないし、整理もできない」
岩貞は、訃報を受けた日から毎日泣いた。しかし、2カ月近く経った今、こんな思いもよぎる。
「いまだに実感がわかないし、受け入れたくないというのもあるし、整理もできない。でも、元気なときに別れているので、僕の記憶は元気な姿のままで止まっているんです。だから、それだったらそのままでいようって」
盟友と今も一緒に戦っている感覚なのだ。
「優勝も絶対喜んでくれていると思います。これからも僕らは必死になって戦い抜くしかない」
横田さんはいつまでも側で、その活躍を見届けてくれるに違いない。