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大谷翔平も菊池雄星も佐々木麟太郎も育った“ナゾの高校野球の町”「JR花巻駅」には何がある?「“消えた”レアな鉄道、閉店した百貨店…」 

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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photograph byJIJI PRESS

posted2023/09/03 11:00

大谷翔平も菊池雄星も佐々木麟太郎も育った“ナゾの高校野球の町”「JR花巻駅」には何がある?「“消えた”レアな鉄道、閉店した百貨店…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

花巻東高校時代の大谷翔平。菊池雄星も佐々木麟太郎も輩出した花巻には何がある?

 市街地は駅の周りのごく狭い範囲に限られていて、ほとんどは北上川の水を活用した田園地帯だ。稲作を中心として、ほかにはリンゴ栽培や酪農なども盛んだという。また、市内には岩手県唯一の空港である花巻空港、三陸海岸の釜石方面に向かう釜石自動車道と東北自動車道のジャンクションも置かれている。そうした交通の利便性を背景に、近年は内陸工業団地も形成されている。岩手名物、わんこそばの発祥の地も花巻だ。

 花巻は近世以来の商都としての面影をどことなく残しつつ、緑豊かで温泉に恵まれ、宮沢賢治に代表される行楽地である。廃線跡のサイクリングなども楽しめる。同じ岩手県内でも、盛岡などとは違って都会的な要素はほとんどないといっていい。実にのどかな、東北の小都市である。ふつうなら、駅前に「大谷翔平選手WBC優勝!」みたいな横断幕を掲げたりしたくなるところ。最初は「もう少しアピールしてもいいのに」と思ったが、ひととおり町を歩いてから駅前に戻ると、このあたりの奥ゆかしさも花巻という町の魅力なのかもしれない、と思うのである。

(写真=鼠入昌史)

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