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「エンゼルスはオオタニを信頼しすぎた」大谷翔平“1億ドルを失った悲劇”の背景…LA名物記者は“残留”予想「二刀流に難色を示す球団が増える」
posted2023/08/25 17:06
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
メジャーリーグを激震が襲った。現地時間8月23日、シンシナティ・レッズとのダブルヘッダー第1戦で先発したロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が2回表途中、右肘に疲労感を訴えて急遽降板。その後、右肘の靭帯損傷が明かされ、今季の大谷はもう投手としては登板しないという発表がなされた。
2018年にも右肘にトミー・ジョン手術を受けた大谷は今後、再び同じ手術を受けるかどうかを熟考することになる。25日からニューヨークで行われるメッツとの3連戦にはDHとして出場することも明らかになったが、球界に漂う衝撃は消えない。
今季、ア・リーグMVP確実とされる活躍を続けていた大谷をこのような悲劇が襲った要因はどこにあったのか。今回の故障発生は、今季限りでFAになる大谷の次の契約にどう影響するのか。英語のほか、スペイン語、日本語を流暢に話す「LAタイムズ」紙の名物コラムニスト、ディラン・ヘルナンデス記者に意見を求めた。
以下、ヘルナンデス記者の語り
「オオタニはシャーザーとは違う」
振り返ってみれば、エンゼルスが大谷に全幅の信頼を寄せすぎたこと、そして大谷の気質をチーム側が理解できていなかったことがこういう残念な故障に繋がったんじゃないかという気がしている。今季を通じて、本人は何かがおかしいと絶対にどこかで感じていたはずなのに、投げ方を少し変えてでも投げ続けてしまった。
私はエンゼルスの首脳陣とも言葉を交わしてきたが、彼らはアメリカ人と同じ感覚で大谷のことも捉えていたように思う。例を挙げると、2021年プレーオフで当時はロサンゼルス・ドジャースでプレーしていたマックス・シャーザーの一件が思い出される。