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甲子園球児の「好きなプロ野球チーム」はどこ? 1位ならずも“巨人の人気が落ちない”理由…カギは「BSテレビ中継」にあった〈ランキング〉 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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photograph byHideki Sugiyama

posted2023/04/07 11:03

甲子園球児の「好きなプロ野球チーム」はどこ? 1位ならずも“巨人の人気が落ちない”理由…カギは「BSテレビ中継」にあった〈ランキング〉<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

「巨人の人気は下がった」「テレビの影響力は落ちた」。この定説は本当なのか? 「好きな球団」ランキングから考察する

人気=優勝×メディア露出

 オリックスはパ・リーグ2連覇、昨年の日本一で、広島を抜いて「好きな球団」4位に上がった。実は、過去にも同じような例はあった。仰木彬監督のもとでイチローが花開き、1995年にリーグ優勝、1996年に日本一に輝いた。その翌春のアンケートでは全体3位、パ1位に立っていた。しかし、3年連続で優勝を逃した後の2000年春には全体9位、パ3位と順位を落としていた。

 黄金時代の西武も似たような状況だった。清原和博や秋山幸二などを擁して日本一になった翌春の1987年は全体3位、パ1位。4連覇を果たした翌春の1994年は全体4位、パ1位。5連覇したもののFAで工藤公康、石毛宏典の抜けた翌春の1995年は全体5位、パ2位に下がり、オリックスに2連覇を許した翌春の1997年はわずか6票しか入らず、12球団中11位まで下落した(いずれも無回答などの「なし」除く)。

 逆に、DeNAと楽天は「BS中継数」3位タイながら「好きな球団」で下位に低迷している。DeNAは1998年、楽天は2013年を最後に優勝から遠ざかっているためだろう。

 過去や現在の例を検証すると、「人気=優勝+メディア露出」という公式が成り立つ。

 優勝して日本シリーズに進出すれば全国中継され、スポーツニュースなどで取り上げられる機会も増える。そのため、昔も今も「好きな球団」ランキングは上昇する。現在は毎試合見たいと思えば有料放送で中継されており、以前と比べれば、“コアなファン”は興味を維持しやすくなった。しかし、チャンネル契約までには至らない“ライトなファン”もいる。“なんとなく好きな人たち”を離さないためには試合の“無料放送”がキーになる。

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