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甲子園球児の「好きなプロ野球チーム」はどこ? 1位ならずも“巨人の人気が落ちない”理由…カギは「BSテレビ中継」にあった〈ランキング〉
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/04/07 11:03
「巨人の人気は下がった」「テレビの影響力は落ちた」。この定説は本当なのか? 「好きな球団」ランキングから考察する
桑田・清原が「選手名鑑」を変えた!?
“KKコンビ”と呼ばれたPL学園の桑田真澄と清原和博の「好きなプロチーム」はどこだったのか。
実は、このアンケートで2校だけはその項目がなかった。PL学園はなぜか「好きな教科」になっており、桑田は「英語」、清原は「国語」と回答している。当時からプロに注目されていた2人に配慮したのか。KKコンビが3年生に進級した1985年の選手名鑑では「好きなプロチーム」という項目が全校から消えた。1986年には「好きな選手」「好きなタレント」など個性の出る質問自体がなくなり、身長や体重など基本的な記述のみになった(同年は『別冊週刊ベースボール春季号』ではなく『月刊高校野球マガジン』の付録として掲載)。桑田と清原が選手名鑑の形式を変えたのかもしれない。
簡易的な名鑑が不評だったのか、1987年には具体的な質問が復活。「好きな球団」はこの年も巨人が210票を集め、断トツで1位。ベスト5の順位も1984年と変わらなかった(無回答などの「なし」除く)。
では、清原和博の息子である清原勝児が出場した今年のセンバツ球児の「好きな球団」はどこなのか。順位は以下のようになった。
2023年版「好きな球団」ランキング
1位:131票 20.0% ソフトバンク
2位:112票 17.1% 巨人
3位:111票 16.9% 阪神
4位:55票 8.4% オリックス
5位:41票 6.3% 広島
6位:34票 5.2% なし
7位:30票 4.6% ヤクルト
8位:28票 4.3% 中日
9位:26票 4.0% 西武
10位:25票 3.8% 日本ハム
11位:23票 3.5% 楽天
12位タイ:17票 2.6% DeNA
12位タイ:17票 2.6% ロッテ
14位タイ:1票 0.2% 侍ジャパン
14位タイ:1票 0.2% 栃木ゴールデンブレーブス
14位タイ:1票 0.2% エンゼルス
14位タイ:1票 0.2% パドレス
14位タイ:1票 0.2% ドジャース
※2球団以上挙げた場合は2カウント。「12球団」回答はNPBの12球団を各1カウントした。
「巨人人気」を考える…浮かぶ“BS放送”の価値
巨人は1984年と比べ、得票率を42.5%も下げ、2位だった。事実は1つだが、解釈の仕方は2つある。1つ目は、昭和の頃にぶっちぎりの人気を誇っていたチームが令和の現代では首位から陥落している点だ。2つ目は、2004年の球界再編から18年以上が経ち、地上波のテレビ中継が激減したにもかかわらず、今も2位につけている点だ。しかも、巨人ファンが多そうな高齢者ではなく、10代の高校生のランキングである。