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センバツ“入場行進曲”はいつからヒット曲に? 戦前は軍歌→YouTube再生数も考慮…毎日新聞&編曲家に直撃「どんな曲でも行進曲にできる」

posted2023/03/18 06:00

 
センバツ“入場行進曲”はいつからヒット曲に? 戦前は軍歌→YouTube再生数も考慮…毎日新聞&編曲家に直撃「どんな曲でも行進曲にできる」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

センバツの入場曲はいつからヒット曲を使うようになったのか。また、どのような過程で選ばれているのだろうか

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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  第95回記念選抜高等学校野球大会がいよいよ開幕。今大会から声を出しての応援を解禁するなど(マスク着用は個人判断)、3年半ぶりに「いつもの甲子園」が戻ってくる。

 センバツといえば、毎年変わる入場行進曲も楽しみの1つ。今大会は、現在放送中のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の主題歌、back numberの『アイラブユー』が選ばれた。

いつから“ヒット曲”を使うように?

 センバツの入場曲は、戦前は軍歌や、『星条旗よ永遠なれ』『セントルイスブルース』といった行進曲の名曲などが使われていたが、いつ頃からヒット曲を使うようになったのだろうか。また、どのような過程を経て選ばれているのだろうか。主催の毎日新聞社大阪事業本部長・濱弘明氏に聞いた。

「『選抜高等学校野球大会50年史』によると、大会草創期から『その年に最も親しまれた歌か、毎日新聞社に関係のある歌が行進曲に選ばれ、センバツ大会の入場行進曲にふさわしくアレンジされている』となっています。戦前は軍国色の強い曲が多く登場しましたが、戦後は1948年の第20回大会で『鐘の鳴る丘』(※編集部注:NHKラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の主題歌『とんがり帽子』)を採用しています。

 1962年の第34回大会で、『上を向いて歩こう』を採用して以降は特に、『その年や前年の流行歌から若者向けの曲を採用するようになった』と『選抜高等学校野球大会80年史』は記しています。ただ、この段階にあっても1967年の第39回大会と1970年の第42回大会で演奏された『世界の国からこんにちは』は、大阪万博のテーマソングとして毎日新聞が懸賞募集した曲で、67年に発売されたものです。

 また、第40回記念大会となった68年大会は、広く一般から募集した結果として『世界は二人のために』が選ばれました。詳細な記録は残っていませんが、現在のような行進曲の決定方法は、時代とともに徐々に定着していったようです」(濱氏)

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