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「チェルシーの新オーナーは正直不可解すぎる」「ファンを一番落胆させたのはリバプールだ」プレミア“驚きの”前半戦を英国記者が評価する 

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ジョナサン・ウィルソン

ジョナサン・ウィルソンJonathan Wilson

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posted2023/02/11 17:20

「チェルシーの新オーナーは正直不可解すぎる」「ファンを一番落胆させたのはリバプールだ」プレミア“驚きの”前半戦を英国記者が評価する<Number Web> photograph by AFLO

20戦を終えて、10位に沈むリバプール。エースのサラーも不調が続き、写真のブライトン戦(1月15日)も0-3で完封負け

 ニューカッスルと3位を争うマンチェスター・ユナイテッドは、ようやく長い眠りから目を覚ましたようだ。彼らも夏に多くの新戦力を迎えたが、最大の人事の成功は、鋼の意志を持ったエリック・テン・ハフ監督の招聘と、チームに混乱をもたらしていたクリスティアーノ・ロナウドの放出だ。優れた指導者の到来と大きすぎた不満分子の消滅により、選手は急成長を始め、チームも組織的に機能するようになっている。

「ここ2、3カ月の間に、選手のメンタルがポジティブに変化している」とテン・ハフ監督は明かす。2013年にアレックス・ファーガソン監督が勇退してから、指針をなくして彷徨っていた名門を再浮上させる指揮官が、ついに現れたようだ。

「アーセナルvsシティ」2試合が優勝のカギを握る

 下位に目を向けると、エバートンの状況はある種、ひとつの興味深いケーススタディにさえ思えてくる。大量にカネがあっても、その使い方次第で物事は大いに悪化してしまうこともあると、証明されているのだ。歳を重ねた選手ばかりを高額で獲得し続け、結果が悪くなればそれまでとは哲学の大きく異なる監督を次々に呼び、パフォーマンスも財政面も悪化の一途を辿っている。1992年にプレミアリーグが創設された際、その計画を主導した“ビッグ5”のひとつであるエバートン。元々は労働者階級が支えるハードワーキングなクラブとチームだったが、2016年2月にイラン系英国人ビリオネア、ファルハド・モシリが買収してから理念なき金満経営が始まり、失敗を重ねている。伝統のある名門が降格してしまうようなことになれば、あらためてオーナーが糾弾されるだろう。

 夏にマンチェスター・シティがアーリング・ハーランドを加えた時、今季こそ、リーグ3連覇もあるかと思えたが、物事はそれほど簡単に進んでいない(しかもここにきて、再びアブダビのオーナーによる財政規則違反の疑いが持たれ、これまでのタイトルの剥奪や保有者の追放の可能性も浮上)。いずれにせよ、今季の優勝の行方は、前半に延期された分も含め、首位アーセナルと2位シティが対戦する2試合がカギを握るだろう。

 アーセナルは初めて、ペップ・グアルディオラ監督が率いるシティを上回るチャンスを迎えている。ただし後半戦の初戦で、監督を代えたばかりのエバートンに、アーセナルがあっけなく0-1で敗れたところを見ると、やはり結論を急いではならないと思えた。

<#1、#2から続く>

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