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アーセナルOBが絶賛「トミヤスの1対1はチーム1だよ」英国ベテラン記者が本音で書く…冨安健洋の現地評価「アルテタ監督も“助かっている”」
posted2023/02/11 17:19
text by
ジョナサン・ウィルソンJonathan Wilson
photograph by
Getty Images
現地メディアのトミヤスへの評価とは? 英国のベテランサッカー記者ジョナサン・ウィルソン氏がNumber Webに本音で綴る。(翻訳:井川洋一)【全3回の2回目/#1、#3へ】
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なぜベン・ホワイトが先発なのか?
夏のプレシーズンの終盤に冨安健洋の筋肉系の故障が完治していれば、彼の今シーズンはまったく違うものになっていたはずだ。現在24歳の日本代表ディフェンダーは昨季、プレミアリーグでも頼りになるライトバック(右サイドバック)として評価を確立した。前述した負傷がなければ、きっとクリスタルパレスとの今季の開幕戦にも先発していたはずだ。そしてベン・ホワイトが右のフルバックで起用されることもなかっただろう。
振り返ると、この一戦でミケル・アルテタ監督がそのポジションにホワイトを起用したのは、見事な一手に思える。ファーストチョイスの冨安の代役には、本職を右サイドバックとするセドリク・ソアレスの方が自然な選択だったはずだし、ホワイトはそれまでにアーセナルで一度しかその位置を任されたことがなかった。
しかしおそらく新加入の攻撃的なレフトバック、オレクサンドル・ジンチェンコを左に配したことで、その逆サイドには、攻め込まれた時にセンターバック的にも振る舞える守備的な選手を置きたかったのだろう。また平均身長の高くないアーセナルにおいて、186cmのホワイトは空中戦やセットプレーの時に頼りになる。
むろん、これらの特長は冨安(187cm)にも当てはまるものだ。しかし開幕時のコンディションの差によって、初戦でホワイトが起用され、彼は監督の期待に完璧に応えた。さらにその後も安定感を高く維持しており、冨安はその割を食う形で出番が限られてしまっているのだ。
ライバルも「トミヤスは素晴らしい」
今季のプレミアリーグでは10月9日のリバプール戦まで、初先発を待たなければならなかった。しかも指揮官に告げられたポジションは右ではなく、負傷したジンチェンコに代わるレフトバックだった。つまりここでもアルテタは、本職のキーラン・ティアニーではなく、センターバック的な代役を抜擢しているのだ。