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「大切な人を大事にして」ロッテ・澤村拓一はなぜお立ち台で想いを口にしたのか…今明かす祖母との別れ、涙の秘話「愛しているよ。おばあちゃん」
posted2024/04/26 11:05
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Chiba Lotte Marines
「オレ、おばあちゃん子なんですよ」
澤村拓一投手は、そう言って遠くを見つめた。
父方の祖母とは小学校の時まで一緒に住んでいた。共働きだった両親の代わりに姉と二人の面倒を見てくれた。幼稚園ではバスの停留所までの送り迎えはいつもおばあちゃんが来てくれた。小学校になってからも授業が終わって家に帰るといつもおばあちゃんが待ってくれていた。「おかえり」と優しい笑顔で声をかけてくれる。そして100円のお小遣いをもらう。100円玉を握りしめ、駄菓子屋に走り、好きなお菓子を買って食べる。そんな時間が大好きだった。
優しかった祖母
「おばあちゃんは小さい自分が寂しいと感じないように色々と気を遣ってくれたのだと思います。小さい頃は親とではなく、いつも、おばあちゃんと一緒に寝ていました。おばあちゃんの隣で一緒の布団で寝ていた記憶があります。本当に優しかった」
添い寝をしてくれたことともう一つ、よく覚えているのは、花が好きだったことだ。春になると自宅の庭には、おばあちゃんが大切に育てた花がいつも綺麗に咲いていた。優しく丁寧に花の手入れをしている光景は今も鮮明に目に焼き付いている。
そんな祖母との別れは4月17日の朝に訪れた。本拠地ZOZOマリンスタジアムでのライオンズとのナイターに備えて自宅を出発しようとしたとき、突然、電話が鳴った。
別れの時
普段は連絡をしてくることのない父からだった。
「年に数回しか電話をしてこないオヤジから、このタイミングでの電話ですからね」
悪い予感がした。電話に出ると大好きだった祖母が亡くなったことを告げられた。94歳で別れの時を迎えた。