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「わ、W杯級にアツい」藤井聡太五冠vs羽生善治九段の夢対決、“貴族”は真っ赤なバラを手に…観る将が描く「マンガ超えな将棋名シーン」 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byJIJI PRESS/Junsei Chida

posted2022/12/02 11:02

「わ、W杯級にアツい」藤井聡太五冠vs羽生善治九段の夢対決、“貴族”は真っ赤なバラを手に…観る将が描く「マンガ超えな将棋名シーン」<Number Web> photograph by JIJI PRESS/Junsei Chida

観る将マンガ家が描いた「2022年11月の将棋ハイライト」。過去のイラストは関連記事からご覧になれます!

 第1局は2023年1月8日に開催されます。色んなスポーツが大盛り上がりして、あと半月でW杯も終わってちょっと寂しいなあ……と思っている方も多いかもしれませんが、2023年もすぐにアツい戦いが始まりますので、絶対に見てください(笑)。あと王将戦と言えば「勝利後のコスプレ」が恒例なわけですが、2人のスターのうちどちらかがスゴい格好させられるんだろうな……とも。

3)貴族が藤井五冠との対局に薔薇を持って登場!?

 将棋界全体を見ても面白い出来事が色々とありました。1つ触れておきたいのは、王将戦挑決リーグ戦、服部慎一郎五段vs豊島九段でのワンシーンです。3コマ漫画にしてみましたが……。

(1)対局再開を待つ服部五段の姿が「アイマスク+マスク」で顔面を完全防備
(2)対局場にスッと戻ってくる豊島九段
(3)特に驚くこともなく、ノーリアクションで服部五段と相対する

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 1分ほどでしたが、なんというか……ここ最近で最もシュールな絵面でした。ただどちらもまったく心が揺れないという意味では、棋士のメンタルの強さを目の当たりにした? と言いましょうか(笑)。

 藤井竜王の項で扱った棋王戦挑戦者決定トーナメントで話題になったのが、「貴族」の愛称で知られる佐藤天彦九段です。

 対局を待つ藤井竜王が座って待つ中で、将棋会館の特別対局室に現れた佐藤九段はなんと、薔薇を持って登場!! 中継を見てる人みんながビックリした件、将棋会館に入る直前、ファンからの贈り物としてもらった薔薇をそのまま……という経緯だったそうです。ただファンへの神対応ぶりと、薔薇を持つファッショナブルさはまさに“貴族”の装いでした。

 そして対局では藤井竜王に勝利。あまりにスゴい展開+カッコよすぎて、マンガを描こうとしてもこんな筋書き思いつかない……。

 あと個人的に印象的な対局だったのは、朝日杯オープン二次予選、佐々木勇気七段と千葉幸生七段の対局です。逆転に次ぐ逆転で193手の大熱戦を勝利した佐々木七段が、定跡となっている“ほぼ2リットルペットボトルの温泉水”とともに戦う姿が印象に残ります。それとともに……前述の「藤井聡-佐藤天」の中継解説を務めた千葉涼子女流四段が「そう言えば帰りが遅いわね」と、夫である千葉七段の対局に思いをはせていたというのが、なんというか将棋と生活が直結しているというか(笑)。

 そのほか、A級順位戦も折り返しを迎えています。豊島九段と藤井竜王が4勝1敗、斎藤八段が3勝2敗で追う展開の中で、誰が渡辺名人への挑戦権を手に入れるのか。冬本番となっても観戦しているこちらが燃え上がるような戦いにワクワクしたいと思います!<構成/茂野聡士>

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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