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「わ、W杯級にアツい」藤井聡太五冠vs羽生善治九段の夢対決、“貴族”は真っ赤なバラを手に…観る将が描く「マンガ超えな将棋名シーン」
posted2022/12/02 11:02
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
JIJI PRESS/Junsei Chida
W杯、日本代表の戦いぶり(ドイツ、スペインに勝っちゃうなんて……!)や各国のスーパープレーに気持ちが揺さぶられっぱなしですね。それとともに、将棋の対局の数々にも注目を続けています。時差もあって24時間営業状態になってて、ABEMAの中継でサッカーを見ているのか将棋を見ているのか、ワケが分からなくなってきそうになる瞬間もありますが(笑)。イラストで11月の名シーンも振り返っていきましょう!
1)「小3藤井くん→藤井五冠」優勝と白熱の竜王戦
各種タイトル戦が大きな盛り上がりを見せています。その中で主役となっているのはやはり、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖と五冠)です。11月20日に行われたJT杯日本シリーズ決勝では斎藤慎太郎八段に114手で勝利。同タイトルは自身初、そして同大会ではまたも史上最年少となる20歳4カ月での優勝を果たしました。
ちなみに将棋ファンの中で話題になったのは、決勝で相まみえた2人がともに小学校3年生の時に「JT杯こども大会」で優勝経験があること。新聞広告では当時の「藤井くん」「斎藤くん」の写真とともに、現在の2人が向き合う姿が前面に掲載されていました。かわいらしいとともに凛々しい……。
ちなみに「こども大会」優勝者同士が対局したのは2020年に藤井棋聖(当時)と菅井竜也八段戦のケースがあったそうですが、決勝の舞台で再び実現し、初の優勝者になるとか、ホントにマンガ並みの世界観です(笑)。それとともに渡辺明棋王が待つ棋王戦挑戦者決定トーナメントでは、同い年の伊藤匠五段を下し、12月8日に羽生善治九段(王将戦についてはのちほど……!)との対局が。勝ち上がれば佐藤天彦九段が待ち受ける挑戦者決定戦と、注目度満点の戦いが続きます。
そして「W杯並みにアツい」大熱戦となっているのが竜王戦です。
11月25、26日に福岡県の「宮地嶽神社」で行われた第5局は広瀬章人八段が勝利し、藤井竜王から見て3勝2敗に。藤井竜王にとっては七番勝負のタイトル防衛戦で初の「2敗」というのもすさまじいですが――広瀬八段の実力もまた素晴らしいものだと実感しています。