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「わ、W杯級にアツい」藤井聡太五冠vs羽生善治九段の夢対決、“貴族”は真っ赤なバラを手に…観る将が描く「マンガ超えな将棋名シーン」 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byJIJI PRESS/Junsei Chida

posted2022/12/02 11:02

「わ、W杯級にアツい」藤井聡太五冠vs羽生善治九段の夢対決、“貴族”は真っ赤なバラを手に…観る将が描く「マンガ超えな将棋名シーン」<Number Web> photograph by JIJI PRESS/Junsei Chida

観る将マンガ家が描いた「2022年11月の将棋ハイライト」。過去のイラストは関連記事からご覧になれます!

 対局の展開としては中村太地七段が新聞記事で“W杯ドイツ戦での日本のようでした”と解説されていましたが、序盤でリードを取った藤井竜王に対して、耐えていた広瀬八段が形勢逆転して勝利を奪った。確かに展開としては似ている……。

 そう言えば、こちらも記事で拝読しましたが――23日に行われていた日本vsドイツ戦の翌日、前日検分などでの取材対応でのこと。キックオフ時間が夜深い時間帯ということもあってか、藤井竜王は〈前半まで見ました〉と語っていたそうです。その一方で、冨安健洋選手が所属するアーセナル大好きな広瀬八段は最後まで観戦したそうで〈勝負の世界に絶対はないと証明してもらい、いい刺激になりました〉とのこと。超拡大解釈は承知の上で、日本の戦いぶりから何かを感じ取ったのかもしれません(笑)。

 あと、ゆるめの光景ネタで言えば、藤井竜王が2日目の午後のおやつに「宮地嶽神社エール」を注文したんですが、これが瓶で出てきました。すると王冠の「栓抜き」で四苦八苦……記録係を務めていた松下洸平初段が“手伝いますね”とサポートしてあげる様子がなんとも微笑ましかったです。それと同時に今の10~20代前半の人たち、瓶で飲むことほぼないだろうからなあと、ちょっとしたジェネレーションギャップを感じる瞬間にも(笑)。

 その竜王戦、本日2日から鹿児島県指宿市の白水館で第6局が開催されています。「羽生善治永世七冠」誕生の舞台となった場所で、2人はどんな白熱の戦いを見せてくれるでしょうか。

2)皆が夢見た「藤井聡太-羽生善治」のタイトル戦!

 その羽生九段と、藤井五冠の夢のタイトル戦がついに実現することに! W杯などのニュースで埋もれていますが、普段ならヤフートピックスやテレビのニュース、ワイドショーで大きく扱われてもおかしくない出来事です!

 羽生九段は王将戦挑戦者決定リーグ戦で、史上最年長となる52歳での挑戦権獲得に加えて、渡辺明名人や永瀬拓矢王座、豊島将之九段などトップオブトップの棋士相手に全勝を果たす離れ業。特に豊島九段との対局では、終盤に羽生九段が勝利を確信した際に出ると言われる「指の震え」で王手を懸けた瞬間、僕も身震いしました。

 今期順位戦B級1組を戦う羽生九段ですが、2022年度の勝率は6割オーバー。レジェンドたるゆえんを再び実感しています。前人未到のタイトル通算「100期」を懸けて、32歳差の藤井王将に挑む……。そのドラマ性にワクワクしますが、もっと興奮しているのは妻氏。「うん、夫氏には事後確認すればいいわね」とばかりに、金沢市で行われる第3局のホテルを予約していたそうです(笑)。

【次ページ】 3)貴族が藤井五冠との対局に薔薇を持って登場!?

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