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非公開練習でも痛烈に伝わる“W杯・不安視された選手”の覚悟…浅野拓磨「自分がケガ人だとは」、冨安健洋も三笘薫も「間に合う」 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byTakuya Kaneko/JMPA

posted2022/11/22 20:01

非公開練習でも痛烈に伝わる“W杯・不安視された選手”の覚悟…浅野拓磨「自分がケガ人だとは」、冨安健洋も三笘薫も「間に合う」<Number Web> photograph by Takuya Kaneko/JMPA

大ケガから復帰した浅野拓磨。ドイツ戦に向けての覚悟は決まっている

 18年5月、26人の大枠メンバーに選ばれた青山は国内キャンプに参加したものの、メディカルチェックで故障が見つかり、離脱を余儀なくされてしまう。チームを離れるとき、青山はともにブラジルW杯を戦った岡崎に「足首、あんまり無理せず、頑張ってよ」と声を掛けた。すると、岡崎は「ここは無理するとこだよ」と食ってかかるように返したというのだ。

「その瞬間、ああ、自分はW杯に対する考え方が甘かったんだなって。今の自分が来る場所じゃなかったなって。岡ちゃんのひと言で吹っ切れた。日本代表に対して、彼らにはそれだけの想いがあったけど、自分にはなかったんだなって……」

バックアップメンバーで浅野が感じていたこと

 この覚悟、この執念――。

 21日の練習後、ミックスゾーンに姿を現した浅野もまた、4年前に岡崎の鬼気迫るリハビリ姿を目の当たりにしたひとりだ。

 当時、バックアップメンバーとして帯同していた浅野に対しても岡崎は、「ごめん、拓磨。最後だから、やらせてくれ」と言ったのだという。

 今回、リハビリに励むなか、あのときの岡崎の姿が励みになった部分はあるか――。そう尋ねると、浅野はこう答えた。

「4年前に先輩の姿や背中を見たからこそ、自分はまだまだやらないといけないと感じたし、そのおかげで今日までやってこられたと思っている。ただ、今こういう状況でメンバーに入って、僕は今、自分がケガ人だとは思っていない。だから、今思い返すことはないけれど、あのときは自分のためになった。いい先輩やチームメイトに恵まれていたと思います」

 ケガ人だとは思っていない――。そう言った浅野の右ひざは少し腫れているように見えたが、腫れていようといまいと関係ないのだ。やるか、やらないか。本人が覚悟を持ってこの場にいるという事実、それだけで十分だろう。

冨安も三笘も異口同音に“間に合う”と

 右ハムストリングを傷めていた冨安も「もともと初戦に間に合わせる予定で準備をしている」と明かしたし、前日の取材対応では体調不良で出遅れた三笘が「問題ない。ドイツ戦には間に合う」と繰り返した。それが事実であろうと、自身に言い聞かせているのであろうと、もうやるしかないのだ。

 この日、守田の取材対応はなかったが、守田の合流について聞かれた遠藤は、こう答えた。

【次ページ】 ブラジルW杯・内田篤人の奮闘に当時、酒井宏樹は…

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