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非公開練習でも痛烈に伝わる“W杯・不安視された選手”の覚悟…浅野拓磨「自分がケガ人だとは」、冨安健洋も三笘薫も「間に合う」
posted2022/11/22 20:01
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Takuya Kaneko/JMPA
森保一監督の要望により、ドイツ戦4日前の11月19日のトレーニングから冒頭15分以降は非公開となっている。
だから、メディアが確認できるのは、ランニング、ウォーミングアップ、ロンド(鳥かご)と呼ばれるボール回しくらいまで。
そのロンドでは、いつも決まってあるグループが騒がしく、残りのグループはおとなしい。そして騒がしいグループには、必ず36歳のベテランの姿がある。
「落ち着け! 落ち着け!」と周りに指示する本人が最も落ち着きがなく、町野修斗に檄を飛ばしてみたり、鎌田大地をからかってみたり、久保建英を持ち上げてみたり。
同じ愛媛出身である鎌田は「食事の席にいつも呼ばれる」と嫌な顔をしながらも、ロンドでは必ず同じグループにいるし、久保も「あの人はいつもあんな感じ」と呆れた表情を見せながら同じグループにいる。なんだかんだでみんな、長友佑都のことが好きなのだろう。
ふくらはぎに違和感のあった守田もロンドに参加
ドイツとの初戦まで2日となった21日、初めて23人の選手(つまり、フィールドプレーヤー全員)がロンドに参加した。左ふくらはぎの違和感のため、前日にはランニングすらしなかった守田英正も一緒に走り、長友のグループの一員に加わったのだ。
もちろん、そのあと非公開となった戦術トレーニングは回避したものと思われるが、それでもランニングシューズではなく、スパイクを履いてボールを蹴る姿に、復帰に向けて大きなステップを踏んだことが窺えた。
カタールW杯に出場するメンバーが発表されたのは11月1日のこと。その時点で怪我を抱えていたのは、浅野拓磨、板倉滉、田中碧の3人だった。しかしその後、中山雄太、冨安健洋、三笘薫、遠藤航、守田……と傷病者が次々と現れる。
初戦の24時間前までメンバーを変更できるため、入れ替えも予想されたが、アキレス腱に手術が必要な重傷を負った中山が町野にバトンを渡した以外は、懸命なリハビリとメディカルスタッフのサポートによって、メンバーを入れ替えることなく本番を迎えられそうだ。
負傷者の復活で思い出す“4年前の青山敏弘と岡崎慎司”
負傷者の復活劇といえば、4年前のロシアW杯である。故障を抱えたまま代表チームに合流した乾貴士と岡崎慎司は別メニューでの調整が続いていたが、なんとか本大会に間に合わせると、乾はセネガル戦、ベルギー戦でゴールを奪う活躍を見せる。岡崎もセネガル戦で本田圭佑の同点ゴールに関わり、ポーランド戦ではスタメン出場を果たした。
思い出すのは、18年ロシアW杯への出場を直前で逃した青山敏弘の言葉だ。