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清宮幸太郎が語る23歳の現在地「ちょっとデブじゃね?」から始まった渇望の1年 BIGBOSSへの思いと、それでも貫く「ホームランは正義」 

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中田愛沙美(道新スポーツ)

中田愛沙美(道新スポーツ)Asami Nakata

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posted2022/10/03 11:02

清宮幸太郎が語る23歳の現在地「ちょっとデブじゃね?」から始まった渇望の1年 BIGBOSSへの思いと、それでも貫く「ホームランは正義」<Number Web> photograph by KYODO

プロ5年目を「変化」の年と位置付けた清宮。試合出場数はチームトップだ

「目の前で柳田さんも一緒に練習してくださいますし、質問にも本当に丁寧に答えてくださるので、本当にここに来て良かったなと思っています。猛アピールしまくって、開幕戦はホークスなので、柳田さんの前で一発かましてやりたいと思います」

「ニュー清宮で行こう」柳田への憧れとあの人からの言葉

 ソフトバンクとの開幕戦で本塁打を放つことを宣言。意気揚々と春季キャンプに臨んだが、オープン戦では思うような結果が出ずに苦しんだ。開幕前最後の試合となった3月20日のDeNA戦(札幌ドーム)の練習前、BIGBOSSが手を差し伸べてくれた。稲葉篤紀GM、金子誠野手総合兼打撃コーチも交えた約30分にわたる指導で、下半身を意識した打撃フォームを体に染みこませ「ニュー清宮でいこう」と助言をもらった。

 その試合で代打安打を放ち、開幕一軍メンバーに滑り込んだ。今季初出場となった3月26日のソフトバンクとの開幕第2戦(PayPayドーム)では、お世話になった右翼手・柳田の頭上を越える今季初本塁打をマーク。一軍の舞台で517日ぶりに放ったホームランの感触は格別だったという。

「一軍で打つのは違いますよね。やっぱりいいですよ。だって、良い打ち方しないとホームランは出ないし、100点満点のスイングはホームランのはず。ビッグボスと稲葉さんと誠さんとオープン戦の最後の試合で思い切って色々チャレンジした結果じゃないかなと思います。自分が思っていたよりも変化があって、すごくおもしろかったです。ボスから“割れを作って欲しい”とずっと言われていたんですけど、それが全然出来なくて……。でも 急に出来るようになりました。あっこんな感じかって。オフも色々やってきてめちゃくちゃ良かったな。それがなかったら今はないですから」

 幸先よくスタートを切ったが、悔しい思いもたくさん味わった。走塁ミスや守備でエラーを犯し、指揮官が報道陣の前で厳しい言葉を投げかけることもあった。夏場までチャンスでさっぱり打てず、今季11号まで本塁打は全てソロアーチ。くじけそうになった時もあったが、試合後には稲葉GMや金子コーチが居残り練習に付き添ってくれ、BIGBOSSは前向きになれる声掛けをしてくれた。

【次ページ】 「高卒でプロ入りしたことに悔いは……」清宮が語る現在地

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