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プロ野球PRESSBACK NUMBER
清宮幸太郎が語る23歳の現在地「ちょっとデブじゃね?」から始まった渇望の1年 BIGBOSSへの思いと、それでも貫く「ホームランは正義」
text by
中田愛沙美(道新スポーツ)Asami Nakata
photograph byKYODO
posted2022/10/03 11:02
プロ5年目を「変化」の年と位置付けた清宮。試合出場数はチームトップだ
「試合後もいつも2人がバッティングを見てくれますし、2人ともすごい引き出しが沢山ある方。いつも見てくれて、気に掛けてくれているとすごく思うので、感謝の思いが強いです。ビッグボスからは『楽しんでやれよ』と常に言われます。あとは『良くなってきているから自信もっていってくれ』と言われることもあって、それもうれしいです。シンプルな言葉ですけど、一番わかりやすいというか、なじみある言葉かなと思います」
「高卒でプロ入りしたことに悔いは……」清宮が語る現在地
大舞台で大きなインパクトを残すこともできた。プラスワン投票で初選出されたオールスターゲームでは第1戦の7回の守備から出場し、9回の打席で値千金のサヨナラ本塁打をマーク。ホームランダービーでは師匠・柳田の打撃投手を務め、イニング間の「きつねダンス」タイムではきつねの耳を着けてキレッキレの踊りを披露した。一流選手が集う祭典で主役の座をかっさらい、とびっきりの笑顔を見せた。
変化を恐れず、挑戦し続けたプロ5年目のシーズン。一方で23歳の若きスラッガー候補には、野球を始めた当時から変わらない思いがある。
「ホームランを沢山打ちたいという気持ちは変わらないです。今振り返ると、高校時代はめっちゃ打っていました。3年生の時は試合でヒットを打ったら、『ああ、残念』みたいな感じでした。でも、やっぱりプロは違います。その世代のエースになっている 人たちが集っている場所ですから。だからといって、高卒でプロ入りしたことに対して、悔いはありません。自分の立ち位置もはっきりしていますし、早くプロに来ることが出来て、本当に良かったと思います」
リトルリーグ時代から『和製ベーブ・ルース』と注目を集め、早実高時代には高校歴代最多とされる111本塁打を記録した。自身の代名詞でもあるホームランを打ちたいというピュアな感情は、今も清宮の原動力だ。
「ホームランは正義ですから」
そう口にする清宮。同学年で、令和初の三冠王が決定的となったヤクルト・村上宗隆にはどんな思いを持っているのか――。
≪後編≫へ続く
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