甲子園の風BACK NUMBER
ブラバン研究家が選ぶ「魔曲で奇跡を呼ぶ!?」注目校…大阪桐蔭に『仁義なき戦い』で挑む旭川大、PL学園を“継承”した高校も
posted2022/08/06 17:00
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
3年ぶりの有観客で、6日に開幕した第104回全国高等学校野球選手権。アルプススタンドの吹奏楽部にとっても、熱い戦いが始まった。
各地で甲子園常連の強豪校が続々敗退という波乱が起こり、久々の出場や初出場の学校も多い今大会。毎回応援を取材している吹奏楽部出身の筆者にとっても、「今回はどんな応援が繰り広げられるのだろう」と、耳を大きくしながらアルプススタンドの「ブラスバンド席」に釘付けの日々。個性豊かな応援の中から、特に注目の応援曲を紹介したい。
『HOT LIMIT』の近江…夏も流れるか?
大会2日目第1試合に登場する創志学園は、これまでは吹奏楽部の部員が少なく、系列の環太平洋大学マーチングバンド部とともに応援していたが、2018年、高校にも新たにマーチングバンド部を創設。部員40人は、初の甲子園応援となる。おなじみの『キン肉マン Go Fight!』や、ザ・ドリフターズの『ドリフの早口ことば』など、これまでは大学生によるパワフルで大人な演奏が繰り広げられていたが、高校生のフレッシュな音色に注目だ。
第4試合に登場する近江は、今年のセンバツ決勝戦で、滋賀県出身のアーティスト西川貴教の『HOT LIMIT』や、滋賀県民なら誰もが歌える地元スーパーのテーマソング『かけっことびっこ』を投入し、準優勝への原動力となったのが記憶に新しい。吹奏楽部顧問の樋口心氏も、センバツ応援の反響の大きさに驚き、「県民のみなさんに応援してもらえるということの大切さを、改めて感じました」と振り返る。今回も、これらの曲がどの場面で流れるか、テレビの音量を大きくしてチェックしたい。
3日目は『ファンファーレ』『BIG WAVE』『市船ソウル』…
大会3日目。5年ぶり29回目の出場となる第2試合の天理は、甲子園でも半数以上の学校がヒットや得点時に演奏する『ファンファーレ』の元祖。同校は攻撃の初回にのみ、このファンファーレをスローなテンポで演奏する。どっしりと重厚な、天理発祥のファンファーレ。スローバージョンはこの1回しか演奏しないため、お聴き逃しなく。