甲子園の風BACK NUMBER
ブラバン研究家が選ぶ「魔曲で奇跡を呼ぶ!?」注目校…大阪桐蔭に『仁義なき戦い』で挑む旭川大、PL学園を“継承”した高校も
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2022/08/06 17:00
「高校野球ブラバン応援研究家」が挙げる今年のブラバン注目校は?(写真は2019年の近江高)
対する山梨学院のチャンステーマ『BIG WAVE』は、野球部OBのシンガーソングライター伸太郎さんが手がけ、2014年センバツから使用しているオリジナル曲。闘争心が掻き立てられる曲調で、山梨学院になくてはならない代表曲だ。
第3試合の高岡商の名物曲は、キビキビと動きながら演奏する『THR HORSE』。野球部や応援団との一体感は、まるでショーのように完成度が高く、見ていて惚れ惚れする素晴らしさだ。
吹奏楽部顧問の羽地靖隆氏が沖縄出身で、毎回沖縄代表校の友情応援に駆けつける尼崎市立尼崎高校吹奏楽部。今年は、第4試合の興南アルプスでオレンジ色のチューリップハットをかぶり、『ハイサイおじさん』でスタンドを一気に沖縄色全開に彩る。
対する市船橋のチャンステーマ『市船ソウル』は、2017年に20歳の若さで亡くなった吹奏楽部OBの浅野大義さんによる作曲。今年5月に全国公開された映画『20歳のソウル』は、市船橋の実話がもとになっており、15年ぶりの甲子園出場を叶えたのは、偶然ではない気がするのは筆者だけではないだろう。
強豪の横浜&日大三は応援もアツい!
つづいて4日目。第1試合に登場するのは、共学になり、2年連続出場の横浜。チアも加わってアルプススタンドは華やかになったが、『第六応援歌』や得点時の『白雲なびく』など、応援団が率いる伝統の応援歌はそのままだ。筆者は、男子校時代のあの男らしい勢いと迫力あふれる応援が大好きだったが、吹奏楽部にも女子生徒が大勢加わり、サウンドにも明らかに変化が。黄色いメガホンを振りかざしながらアルプスを一体感で包み込む、新生・横高の応援は要注目。
第2試合は4年ぶりの出場となる西東京代表・日大三。名物応援曲『Come on!!』は、吹奏楽部OBで、NHK交響楽団打楽器奏者の竹島悟史氏の作曲によるもの。疾走感あふれるメロディに、重厚なハーモニーは、球場で聴くたびに「さすが、日本を代表するオーケストラの奏者が作った楽譜は鳴りが違う」ということを毎回感じさせられる素晴らしさ。