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森保ジャパンの序列はどう変わった? 東京五輪~最終予選2試合で「評価を下げた選手」と「これから来る選手」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2021/09/10 11:04
オマーン戦、中国戦と厳しい内容が続いた最終予選。東京五輪から続く連戦で“序列”はどう変わったのか?
相手に前に釣り出されたスペースを使われ、ビルドアップも精度を欠いた。オマーン戦の失点シーンではサイドから簡単にクロスを上げられたのも問題だが、植田がぺナルティエリア内でマークした選手に簡単に振り切られてしまった。冨安健洋不在のチャンスを活かせず、期待値を下げた。
センターバックは、東京五輪で吉田麻也と組み、その能力の高さを示した板倉滉の方がむしろ序列が上がっている感じだ。他にも町田浩樹、瀬古歩夢ら若手の優秀なセンターバックが控えており、彼らが台頭してくると、さらに厳しい立場に置かれるかもしれない。
原口元気)これほどの低パフォーマンスは見たことがない
左サイドは、2試合とも機能が半ば麻痺していた。
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オマーン戦、左MFの原口元気は、仕掛けは中途半端でフィニッシュの部分も周囲とうまく絡めなかった。試合後に「パフォーマンスに対して言い訳するつもりはない」と語っていたが、それにしてもここまでの低パフォーマンスは過去の試合でも見たことがない。3年前のロシアW杯では攻守に非常に効いており、存在感を示してきたが、ここ2試合は自分の役割を整理できていないように思える。ベテランの域にさしかかっているからこそ、チームが停滞している時に自身のアグレッシブなプレーで流れを変えていかなければならない。
左MFは南野拓実がレギュラーだが、怪我の影響を受けて試合には出られなかった。原口にとってこの2試合はレギュラー奪還のチャンスだったが、オマーン戦では輝きを失い、中国戦では古橋亨梧にスタメンの座を奪われてしまった。
長友佑都)“無所属”で実践感覚が不足しているのか?
長友佑都は、2試合ともよく走っていた。守備面では対人の強さを見せ、スペースをカバーする動きも迅速でベテランらしい安定したプレーを見せていた。ただ、攻撃面では、オマーン戦も中国戦も左MFとの絡みがもうひとつスムーズではなかった。