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「年間300万円違ったんですよ」ライオネス飛鳥が明かす、長与千種との“給与格差”「当時は知らなかったので…」引退後に知った全女の“カネ払い”
posted2024/12/16 11:02
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
AFLO
Netflixのドラマ『極悪女王』のヒットによって、今ふたたび、ダンプ松本やクラッシュ・ギャルズが活躍した80年代の女子プロレスが注目を集めている。芸人・玉袋筋太郎、構成作家の椎名基樹、プロレス格闘技ライターの堀江ガンツの3人が、当時の女子プロレスラーや関係者にインタビューした『玉袋筋太郎の全女極悪列伝』(白夜書房)より、2023年に収録したライオネス飛鳥のインタビューを抜粋して紹介する。飛鳥の証言で振り返る、クラッシュ・ギャルズの舞台ウラ。《全3回の初回》
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玉袋 飛鳥さんと女子プロレスの出会いっていうのは、どんな感じだったんですか?
飛鳥 好きになったのは中学生の時ですね。それまでは嫌いだったんですよ。私はすごい肥満児で背も高かったから、よく「プロレスラーになれ」とか言われて。頭の中は女子プロレス=肥満児っていうイメージで、コンプレックスだったんです。でも、中1の時にたまたまテレビでビューティ・ペアを見て、ジャッキー佐藤さんもマキ上田さんもスタイルが良かったじゃないですか? それでジャッキーさんが大好きになったので、「絶対にジャッキーさんみたいになる」って決めて、そこから20キロ痩せました。
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玉袋 すげえ! どんなダイエットグッズよりジャッキー佐藤を見ろ、と。
飛鳥 ジャッキーさんを見た日から毎日、腹筋300回やって炭水化物を食べなくなりましたから。
椎名 その頃から炭水化物カットのダイエットしてたんですか?
飛鳥 ご飯粒を抜くと痩せるっていうイメージがあったので。それまではお姉ちゃんのおかずを盗んで食べてたくらいなんですけど(笑)。炭水化物抜き、甘いものも一切摂らなくなりました。ジャッキーさんがいなかったら、今の人生はないですね。
玉袋 そういう女の子がたくさんいたんだろうな~。ビューティ・ペアみたいになりたくて女子プロレスを目指すっていうね。飛鳥さんは、男のプロレスには興味なかったんですか?
飛鳥 私はプロレス自体より先にジャッキーさんが好きになったので、男子のプロレスは一切見ることはなかったです。自分の世代の女の子が憧れるのは、ピンクレディーか宝塚のベルサイユのばら、それかビューティ・ペアかで、私はビューティ・ペアだったんですよ。
椎名 その3つが、女の子が「カッコいい」と憧れる対象だったんですね。たしかにピンクレディーって、女の子女の子してないもん。
ガンツ 振り付けもダイナミックで、アスリートっぽいですもんね。
高校1年で中退→オーディションから全女へ
玉袋 全女は何歳の時に入ったんですか?
飛鳥 高校1年で中退して入っています。
玉袋 飛鳥さんの時代はオーディション受けた人数もすごかったんじゃないですか?