サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
東京五輪代表、優勝候補スペインとどう戦う? 中西哲生が徹底解説「ホンジュラス戦から注目すべき」“4人のキーマン”とは
posted2021/07/16 17:01
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
東京五輪へ向けた強化は、順調に進んでいる。
森保一監督が率いるU-24日本代表は、7月12日にU-24ホンジュラス代表とテストマッチを行なった。吉田麻也と堂安律のゴールで前半を2対0で終えると、後半はチーム全体の活動量が落ちて1点差に詰め寄られる。それでも、85分に堂安が自身2点目をゲットし、3対1で勝利をつかんだ。
グループリーグ第2戦で対戦するメキシコを想定したこの一戦では、これまで持ち越されてきたテーマの答えが見えてきた。久保建英のプレー解説でお馴染みの中西哲生氏に、ホンジュラス戦の成果と17日のU-24スペイン代表戦のポイントを整理してもらった。
◆◆◆
三好康児「フリック気味のワンタッチパス」で局面を打開
ホンジュラス戦の収穫として、まずは三好康児に触れたいと思います。
4-2-3-1の2列目については、堂安律が右で、久保建英がトップ下で起用されるのが確実視されています。その一方で、左サイドは複数の候補者が競っている状態です。
今回のホンジュラス戦では、三好が先発で起用されました。U-24ガーナ代表、ジャマイカ代表と対戦した6月の2試合ではスタメン出場のなかった彼ですが、堂安と久保のポジションや動きを見ながら、自分の立ち位置と動きの種類を決めていました。ひと言でいえば非常にクレバーに、気を利かせたプレーをしていました。
彼自身の得点とアシストはありませんでしたが、ゴールを予感させるプレーはありました。左ポストを叩いたシュートがあり、林大地や前田大然の決定的なシュートへつながるパスがありました。フリック気味のワンタッチパスで相手のプレッシャーを回避するプレーは、局面打開の有効な手段となっていました。
東京五輪では、どのチームも試合の入りに細心の注意を払うでしょう。先に失点をしたくないとの意識が強く働き、チームによってはガチガチという表現が使えるぐらいに守ってくることも想定される。スペースも時間もないなかでは、ワンタッチプレーを織り交ぜて相手の守備を剥がしていくべきで、ホンジュラス戦の三好のようなプレーは効果的です。