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東京五輪代表、優勝候補スペインとどう戦う? 中西哲生が徹底解説「ホンジュラス戦から注目すべき」“4人のキーマン”とは
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/07/16 17:01
12日にU-24ホンジュラス代表と対戦したU-24日本代表。吉田と堂安の得点で3-1と勝利した
守備の局面では、ボールを奪おうとしながらも簡単にファウルをしない。奪おうとするけれど反則にならないコンタクトや強度で、守備側にとって的確な角度へボール保持者を追い込んでいく。プレーの現象としては「ボール保持者のスピードを遅らせる」、「ボール保持者の身体からボールが離れる」といったもので、その間に2人目が加勢してクリーンに奪い取る。
遠藤も田中も、ファーストディフェンスもセカンドディフェンスもできる。ひとりが守備的でひとりが攻撃的といった組み合わせではなく、攻守両面のクオリティが高いふたりが並ぶ意味で、このダブルボランチは日本では新しい組み合わせであり、チームの強みになっていると言えるでしょう。
ダブルボランチが守備面で積極的にチャレンジできる背景には、最終ラインの安定感があります。センターバック(CB)として吉田麻也と冨安健洋が、右サイドバックとして酒井宏樹が控えているからこそ、遠藤も田中も思い切った守備ができるのでしょう。
スペイン戦は「東京五輪を占う」重要な戦いに
17日にはスペインと対戦します。ユーロでベスト4入りしたフル代表のメンバーからは、GKウナイ・シモン、CBエリック・ガルシア、パウ・トーレス、MFペドリ、FWダニ・オルモ、ミケル・オジャルサバルの6人がメンバー入りしています。OAもレアル・マドリーのFWマルコ・アセンシオら3人を揃えました。また、20-21シーズンのヘタフェで久保とともにプレーしたマルク・ククレジャも、U-24世代のひとりとして選出されています。
17日の日本戦は、来日直後でコンディションが万全ではないと考えられます。それでも、個々のクオリティとチームとしての練度は高い。
優勝候補にもあげられるスペインに、日本のサッカーはどこまで通用するのか。そもそも、ホンジュラス戦の前半のようにボールを握れるのか。握れなかったとしたら、どのように対抗するのか──。
日本はグループステージで南アフリカ、メキシコ、フランスの順に対戦します。最初の2試合でグループリーグ突破を決めるのが理想ですが、フランスとの第3戦に持ち込まれることも考えられる。フランスに勝たなければいけない、最低でも引分けなければいけない、といった状況も想定されるだけに、スペイン相手にどんなプレーをするのかは本大会を占う材料になるでしょう。