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なぜ卓球界には“スーパー小中学生”が続出するのか 年上選手に「健闘した」では許されない厳しい事情とは 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT

posted2021/01/28 06:01

なぜ卓球界には“スーパー小中学生”が続出するのか 年上選手に「健闘した」では許されない厳しい事情とは<Number Web> photograph by Naoki Morita/AFLO SPORT

卓球全日本選手権男子シングルスに出場した松島輝空。卓球界で小中学生が活躍することには重要な意味がある

身長の低さはメリットになる?

 その1つがフィジカルの差が他競技のような影響を及ぼさないことだ。

 柔道やレスリングなどの競技は当然、フィジカルに大きな違いがあればそれだけで有利不利が生じる。テニスでも大人と子供の打球は大きく異なる。

 だが卓球のボールは3グラム弱だから、速く強いボールを打つのにそれほど大きなパワーは求められない。

 ラケット自体も小学生が振れる程の重量しかない。そうした用具という点でも、フィジカルによって大きな差が生じない。

 卓球はボールを低い視点で捉えられる方がよいという。その点では身長の低さはメリットになる。身長に伴うリーチの差はデメリットだが、いずれにせよ身長の高低が決定的な違いにはならないのだ。

幼少期から長時間におよぶ練習を重ねるのが当然に

 卓球は、頭脳戦の面も強く持つ。どこにどのようなボールを打ち込むか、どう組み立てるかということも勝負の要素として絡んでくる。

 競技に取り組んで長い選手の方が経験も豊富で蓄積はありそうだが、そこにも卓球の事情が関係してくる。

 福原をはじめ数々の選手の子供時代がしばしばテレビなどでも取り上げられてきた。その中で伝えられていたのは、幼少期から長時間におよぶ練習をする光景だ。

 幼稚園に通う頃から猛練習を積み重ねてきた選手は珍しくない。そこで技術や戦術面も蓄積されているのだ。

 こうした背景があって、卓球では小中学生が大学生や社会人と同じカテゴリーに出場し、しばしば勝ち、上位に進出する場面が生まれる。小学生や中学生が活躍すれば、大きく報じられる。「スーパー小学生」「スーパー中学生」として伝えられる。

 だが、他の競技とはその言葉の持つ意味合いがやや異なることも理解しておくべきだろう。

【次ページ】 年上の選手に敗れて「健闘した」では将来は厳しい

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