スポーツ百珍BACK NUMBER
「もし久保建英が五輪で10得点&金メダルなら…」W杯やEUROなどはバロンドール選考にどう影響する?
posted2020/12/31 17:03
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Getty Images
日本人で唯一のバロンドール投票権を持つ重鎮記者、田村修一氏に聞く「バロンドールあれこれ」(前編はこちら。関連記事からもご覧になれます)。2020年で忘れてならないのはヨーロッパ最強国決定戦のEURO2020、そして東京五輪も1年延期となったことだ。いわゆる「日常の戦い」であるクラブレベルに加えて、「非日常の祭典」である代表での国際大会の存在は、バロンドールの選考にどのような影響を与えるのだろうか。
そしてここ近年はバロンドールだけでなく“若手版バロンドール”にあたる「コパ・トロフィー」、最優秀GKに与えられる「レフ・ヤシン賞」もFF誌が選定している。その辺りについても田村氏に聞いてみた。
EURO2016は期待のスター選手が今一つだった
――EUROがあったらって、どういうことですか? ……と聞きましたが、たしかにEURO2020が開催されなかったことは、2020年のバロンドールを決めるための大きな判断材料を失ったと言えますね。
田村:まさに。チームが獲得したタイトルを重視する「コレクティブな活躍」の要素が減ってしまったわけだからね。しかも今回のEUROではフォーマットが変わっている(開催国という概念はなくなり、12都市で開催。決勝はロンドンのウェンブリー)から、予想しづらい部分もある。ちなみに2016年のEUROは期待されたスター選手が軒並みダメだったんだよね。レバンドフスキも、フランスのポグバも。一方でウェールズのベイルとラムジーが頑張っていたけど。
――前回大会の優勝はクリスティアーノ・ロナウド擁するポルトガルでした。
田村:実はロナウドも、グループステージのハンガリー戦で2得点を決めたりしたけどトップフォームではなかったんだよね。ただロナウドの場合はパフォーマンス以上に彼の存在感がチームに大きく作用した。決勝で負傷交代した後、逆にチームがコレクティブになるんだからサッカーは面白い。