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「もし久保建英が五輪で10得点&金メダルなら…」W杯やEUROなどはバロンドール選考にどう影響する?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2020/12/31 17:03
クリスティアーノ・ロナウドとメッシの“2強時代”が続いたバロンドール。2020年代はどんなスターが世界No.1の称号を手に入れるのか
――サントス監督を押しのけんばかりの剣幕で、ロナウドがテクニカルエリアでチームを鼓舞していた記憶が(笑)。話を戻しますが、2020年にEUROが予定通り開催されていたら、ヨーロッパは今、どんな力関係だと感じますか?
田村:やっぱり層の分厚さから考えて、ドイツじゃないかな。ロシアW杯王者のフランスもまずまずだけど、ここからさらに伸びていくかと言われると……ですかね。全体的に感じるのは、従来の強豪国以上に新興勢力が目立っている印象というか。ヨーロッパ全体が群雄割拠みたいな感じになっている印象がある。
ベルギーは間違いなくビッグチャンスだが
――例えばスペインもなだらかに世代交代が続いていますからね。新興勢力に含めるかは難しいところですが、ベルギーとしてみれば、今回はEUROをつかみ取る大チャンスでしょうし。
田村:間違いなくベルギーは今回一番チャンスが大きい国の1つだろう。もしEUROで躍進していれば……デブライネか。アザールはマドリーでケガがちのシーズンだったことを踏まえると、シティで活躍したデブライネとなる。ただしベルギーもFIFAランキング1位とはいえ、圧倒的な強さではない。だからもしフランスが一気に勝ち上がったとすれば、ムバッペとなるかな。PSGでまずまずのパフォーマンスだったし、EUROで爆発すればさらに印象は強くなる。
ナショナルレベルの大会を重視しがち?
――田村さんの話を聞いていると、毎シーズン行われるCLや各国リーグ戦などのクラブレベルの試合と、2年ごとに行われるEUROやW杯のナショナルレベルの大会では、バロンドールを選ぶ際に後者を重要視しているのでは、と感じます。
田村:それはあるね。どうしてもナショナルチームのビッグイベントがあるときはそちらを重視して投票していた。やはりW杯のタイトルの重みは相当なものだし、EUROもそれに準じる大会だ。昔はもう少し比較もできたけど、今はそれぞれが全く別の戦いになっているのは事実。実際、モウリーニョも「監督を評価する際に、クラブとナショナルチームを比較するのは無理だ」と言っていて、僕もその通りだと思っている。
――ちなみに同時期に五輪もあるわけですが、バロンドールにおいてどれくらい評価されるものなんですか?