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「もし久保建英が五輪で10得点&金メダルなら…」W杯やEUROなどはバロンドール選考にどう影響する?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2020/12/31 17:03
クリスティアーノ・ロナウドとメッシの“2強時代”が続いたバロンドール。2020年代はどんなスターが世界No.1の称号を手に入れるのか
田村:正直なところ、U-23という世代限定の大会である(2021年に延期された東京五輪では特例でU-24となる)から、W杯やEUROに比べたら評価の優先順位としては下がる。ただそこでとんでもない活躍を見せる選手がいれば、印象は大きく変わる。これは「もしも」の話だけど、久保建英が東京五輪で10得点を取って日本が金メダルを取れば、インパクトも大きいから、トップ10に入ってくるかもしれない。
――そんな現実を見てみたい(笑)。久保の名前も出ましたが、2018年から21歳以下の選手対象の「コパ・トロフィー」もFF誌が選定されています。過去2年の受賞者はムバッペ、デリフトとすでに未来のメガスター候補が名を連ねています。
田村:コパ・トロフィーに関して言えば、僕らが投票権を持っていない(※プラティニやジダン、ロナウド、メッシらが主な審査員)。とはいえ五輪で大活躍すれば、そこにノミネートされる可能性が高まるのは確かかな。あと、バロンドール以外にも僕らが選ぶ賞がある。
最優秀GKのレフ・ヤシン賞も選んでいる
――あれ、バロンドール以外にも何かありましたっけ。
田村:「レフ・ヤシン賞」って聞いたことがあるかな。これは2019年から新設された年間最優秀GKだけど(GKとして唯一となるバロンドール獲得者ヤシンにちなんで命名)、それを選出するのも僕たち記者間投票なんだよ。2019年、僕はアリソン・ベッカーに入れた。
――実際、アリソンが栄えある初代受賞者となっています。こちらも2020年は中止になっているんですが、もしレフ・ヤシン賞を選ぶとしたら。
田村:今年は誰にしましょうかね……。ただコレクティブ要素を評価するならば、ノイアーは十分に値すると感じる。それこそレバンドフスキと同じく、バイエルンでことごとくタイトルを制しているのだから。
――なるほど。最後に聞きたいのは、近未来のバロンドールの展望です。ここ10年はメッシとC・ロナウドの時代だったわけじゃないですか。