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落合GM、1億6000万円ダウンという“戦力外通告”、山本昌「5連勝で3倍」柳田7年…【契約更改ウラ話】
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posted2020/12/02 17:03
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昨年オフにホークスと7年契約を結んだ柳田。日本シリーズでも別格の存在感でチームを牽引した
中日が落合GMに託したコストカット
<名言4>
成果は出たか出ないかは別だが、やるべきことはやった
(元中日ドラゴンズオーナー・白井文吾/NumberWeb 2016年12月23日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/827131
2013年オフ、谷繁元信監督をバックアップする形で中日のGMに就任した落合博満。1年目のオフから行ったのは選手の年俸削減、コストカットだった。
かねてから白井オーナーは球団フロントに、与えられた予算内での年俸抑制を求めてきた。ところが好成績を残した選手や実績のあるベテランが提示額を不満とすると、何がしかの“イロ”をつける、いわゆる“ゴネ得”を許す悪しき風習をなかなか断ち切ることができないでいた。そうして契約更改が終わって見ると、いつの間にか予算をオーバーするということが繰り返されてきたのである。
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そこで白羽の矢が立ったのが、監督時代から有無を言わさない統率力を発揮してきた落合だった。
井端へ提示した1億6000万円ダウン
就任直後からいきなり総額8億円とも言われる年俸削減を断行。中でも周囲を驚かせたのは井端弘和への処遇だった。年俸1億9000万から限度額を超える1億6000万円ダウンの実質的な戦力外通告と言われ、功労者・井端が巨人へ移籍するきっかけとなった。
こうした“上から目線”の更改は当然、チームに軋轢を生んだ。大島洋平や平田良介など主力選手が軒並み保留を表明。15年オフから落合GMは交渉の場に立たなくなっていったという。
3年連続でBクラスに低迷していた谷繁監督を16年8月で解任したことで、「現場が頑張っているのに、戦力を作れなければ全て私に責任がある」と同シーズン限りでGM職を辞任。球団再建のために選手の年俸抑制という手段を選択したことは、結果として負のスパイラルを生むことになった。
もちろん白井オーナーが落合GMに託した責務は、「金をかけずにチームを強くする」ことだった。落合GMにとっては、今までのフロントができなかったコストカットを目に見える形で実現し、それをオーナーが最も評価した。しかし、それ自体が最大の使命となってしまったことが失敗だった。
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