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落合GM、1億6000万円ダウンという“戦力外通告”、山本昌「5連勝で3倍」柳田7年…【契約更改ウラ話】
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2020/12/02 17:03
昨年オフにホークスと7年契約を結んだ柳田。日本シリーズでも別格の存在感でチームを牽引した
「島流し」を経て急成長を遂げた山本昌
<名言3>
5連勝しただけで、3倍も上げてくれるんだ。なら俺、もっと頑張らなきゃ。頑張らなきゃ、もったいないって
(山本昌/Number640号 2005年11月2日発売)
◇解説◇
当時の取材で、プロとしての自覚が芽生えたエピソードを語っていた山本。プロ生活29年実働、219勝を挙げた技巧派左腕が頭角を現したのはプロ5年目の1988年シーズンのことである。
83年のドラフトで5位指名を受けて中日に入団した山本に対する期待は、決して大きなものではなかった。初めての一軍登板は3年目の消化試合。翌年も結果を出せず、その年のオフにアメリカ留学という名の「島流し」を命じられる。だが、ドジャース1Aベロビーチに合流した山本は、1Aの荒削りな打者を変化球で翻弄。面白いように勝ち星を重ねた。
その活躍が認められて日本に呼び戻されると、中日の「隠し球」として躍動。先発不足だったチーム状況も相まって終盤の8試合に登板し、5勝0敗。リーグ優勝に貢献した。
西武との日本シリーズにも登板したことで、契約更改では一気に3倍増の1100万円。この金額を見て「初めて貪欲になったんですね。あのときから僕は、本物のプロとして第一歩を踏み出したんです」と振り返っていた。翌年から先発ローテションの一角として活躍するのだった。