酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
一目瞭然なセパ格差・打者編 DH制を導入しないと差はさらに開く【巨人、ホークスに“8連敗”】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki/Hideki Sugiyama
posted2020/11/27 11:02
デスパイネが満塁ホームランなど活躍したソフトバンクと、亀井善行、ウィーラーが機能しきらなかった巨人。DHでも差がついてしまった
セ・リーグでは、ほぼ何の疑問もなく投手の1打席は「なかったもの」として目をつぶって1アウトを相手チームに進呈している。一方のパ・リーグでは同じ1打席、DHの座を巡って打者たちがしのぎを削っているのだ。両リーグの戦力差が開くのは当然だといえよう。
二刀流の大谷翔平が、セのチームではなくパの日本ハムで誕生したことも、セ・リーグの創造性のなさを象徴しているのかもしれない。
投手の打撃を強化するか、それとも
セ・リーグがパ・リーグに追いつくための方策は、2つ。1つは投手の打撃を強化し、投手の戦力化を図ること。もう1つはパと同様、DH制を導入すること。
今さら投手に打撃を教えることは不可能に近いから、DH制を導入することになるのではないか。
筆者は昭和の時代、平松政次や江夏豊などの投手が鋭い安打を打って塁を疾走するのを見てきた。DH制は野球本来の姿を考えれば、本筋ではないと思う。
しかしここまで両リーグの差が開けば、NPBの健全な発展のためにもDH制の導入はやむを得ないと考えている。
MLBでも今季は全試合でDH制が導入されたが、歴史の必然としてDH制の導入が進むのではないか。