酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
一目瞭然なセパ格差・打者編 DH制を導入しないと差はさらに開く【巨人、ホークスに“8連敗”】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki/Hideki Sugiyama
posted2020/11/27 11:02
デスパイネが満塁ホームランなど活躍したソフトバンクと、亀井善行、ウィーラーが機能しきらなかった巨人。DHでも差がついてしまった
DHがないリーグでは、守備が駄目で打撃だけの打者、左投手だけに強い打者、ベテランで守備が重荷になってきた打者がいても、代打や途中出場くらいでしか使うことができない。経験値を高めることができないために、十分な戦力たりえないことも多い。
常に9人以上のレギュラー級の打者を整備するパ・リーグと、8人だけのセ・リーグの戦力差は、45年の歳月を経て顕著になってきているのだ。
MLBの“打てる投手”の成績は……
もう1つ、見落とされていることがある。
黒田博樹が広島からロサンゼルス・ドジャースに移籍した当時、ある記者が日本人記者に尋ねたことがある。
「あいつ(黒田)は、指名打者がないリーグでプレーしていたんだろ? なぜあんなに打てないんだ?」
MLBでは投手であっても打つ気満々で打席に立つ選手が多い。中には野手顔負けの打撃を見せる投手がいる。MLBでは打撃のベストナインに「シルバースラッガー賞」を与えているが、ナショナル・リーグには投手部門もある。
<昨年まで過去3年の投手のシルバースラッガーとその成績>
2017年
アダム・ウェインライト(カーディナルス)
42打数11安打2本塁打11打点 打率.262
2018年
ヘルマン・マルケス(ロッキーズ)
60打数18安打1本塁打5打点 打率.300
2019年
ザック・グレインキー(ダイヤモンドバックス)
50打数14安打3本塁打8打点 打率.280