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久保建英もまずまず…森保J、カメルーン戦が物足りなくも「価値があった」理由と3バックの意味
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJFA
posted2020/10/10 13:35
注目の久保建英は65分から途中出場した。試合は引き分けで終わったものの、最後の直接FKも2枚の壁を越えた鋭い一撃だった
森保監督はハーフタイムの伊東の投入に続いて、65分に久保建英、71分に鎌田大地、86分に菅原由勢を送り出した。6人まで認められていた交代枠を2つ残したが、先発で起用した選手を長く見たいとの意図もあったのだろう。昨年6月のコパ・アメリカ以来の起用となったボランチの中山雄太、所属クラブの要請で13日のコートジボワール戦に出場しない大迫勇也らは、日本代表での感覚を取り戻してもらうためにもフル出場させたと考えられる。
注目の久保は……
注目の久保はまずまず、といったところか。
2シャドーの右サイドで入ったが、同左サイドの鎌田とポジションを入れ替え、左サイドでのプレーも多かった。84分には左サイドをドリブルで突き、ゴール前の大迫へクロスを供給する。ボールの高さがわずかに合わなかったものの、オープンな展開となっているなかでクオリティを発揮した。
後半終了間際には、伊東が右サイドから仕掛ける。ペナルティエリアへ侵入する直前に倒され、主審のホイッスルが鳴る。
直接FKのポイントに立ったのは柴崎岳と久保だが、助走に入ったのは背番号17だった。久保が左足を振り抜くと、2枚のカベを越えた一撃がGKを鋭く襲う。GKがギリギリで弾き出したこのプレーを最後に、試合は終了した。
チームとしての機能性を取り戻すための試合だった
試合後の森保監督は「(久しぶりのゲームで)手探りの状況もあるなか、連係がうまくいかないところもあったが、徐々に自分たちのペースへ持っていって、時間を追うごとに我々の戦いができたと思う」とまとめた。連係不足を問う以前のミスもあったが、とにかく2020年初のテストマッチである。4回のトレーニングでこの試合に臨んだことを踏まえても、0対0のドローゲームは悪くないものだったと言っていい。
「久しぶりの代表の試合で、良かった点もたくさんあったけれど、もっとすり合わせていく点もたくさんあった」と吉田が話しているように、それぞれの選手が日本代表としての感覚を呼び覚まし、チームとしての機能性を取り戻す第一歩を踏み出したところに、カメルーン戦の価値がある。
次のコートジボワール戦には、さらに3回のトレーニングを積んで臨むことができる。連係は高まっていくだろう。カメルーンよりもさらに強烈な個を揃えるチームだが、評価の基準は上がる。つまり、結果も内容も問われる一戦になる。
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