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モウリーニョ、トッテナムを蘇生。
地味でも期待大な2年目のタイトル。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2020/08/31 11:40

モウリーニョ、トッテナムを蘇生。地味でも期待大な2年目のタイトル。<Number Web> photograph by Getty Images

停滞したトッテナムを立て直したモウリーニョ監督。2020-21シーズンにさらなる存在感を見せるのか。

デル・アリの蘇生こそ最優先。

 とはいえモウリーニョが最も力を入れるべきは、就任当初にも指摘されたデル・アリの蘇生だ。

 主砲のケインと最も息の合うチャンス供給源にして、創造力の源でもある24歳は、監督交代直後の3試合連続ゴールで本領発揮の兆しを見せた。だが結局は怪我もあり、昨季もまた尻つぼみ……。今年1月にPSVから加入したスティーブン・ベルフワインが尻上がりに存在感を強めたこともあり、今夏には高額売却で補強予算に変えるべきとの声も聞かれた。

 だが指揮官は、強さと巧さ、そして激しさを兼備するアタッカー兼ファイターを、最適と判断している「ナンバー10」役の第1候補として見捨ててはいない。

 プレシーズンの親善試合初戦となった8月22日のイプスウィッチ戦(3-0)でも、国内3部勢が相手とはいえ、アリはソン・フンミンの背後で先発して2点をお膳立てしている。

 ポチェッティーノ下での5年間でも叶わなかった、アリの定位置決定とコンスタントな実力発揮が実現されれば、それだけでも新シーズンにおける大きな成果ということになる。もちろん、守備の安定性が増すはずの中で攻撃のキーマンが活躍すれば、チームとしての成果も自ずとついてくる。

 以前とは違い、プレミアで指揮を執るモウリーニョが盛大なファンファーレなしで迎える初のフルシーズン。だが、閉幕時にはこれまでと同じように、タイトルを手にしているモウリーニョ軍の姿があるのではないだろうか?

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