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モウリーニョ、トッテナムを蘇生。
地味でも期待大な2年目のタイトル。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2020/08/31 11:40

モウリーニョ、トッテナムを蘇生。地味でも期待大な2年目のタイトル。<Number Web> photograph by Getty Images

停滞したトッテナムを立て直したモウリーニョ監督。2020-21シーズンにさらなる存在感を見せるのか。

ハート、ホイビェルグの的確補強。

 8月18日にフリーで獲得された33歳は、グアルディオラ体制に変わったマンCで足元が心許ないとして不要扱いを受け、そこから急勾配の下降線を辿った。しかしながら、GKにビルドアップの起点としての働きを求めないモウリーニョの下なら、再び出番と自信を手にできるかもしれない。

 グアルディオラ就任以前のマンC時代、ハートはプレミア優勝とCLベスト4の経験もある。少なくとも昨季GKの2番手だったパウロ・ガッサニーガは遠く及ばないキャリアだろう。並行するリーグ戦とカップ戦において、正GKウーゴ・ロリスと使い分ける場合の安心感も増すに違いない。

 ハート加入の1週間前に、サウサンプトンから1500万ポンド(約21億円)で移籍したピエール・ホイビュルグは、正ボランチ候補と言える。ボール奪取に見られる執念と技術は、既存のハリー・ウィンクス、ムサ・シッソコを上回る。

 またカウンターの起点としても、CBが適所と思えるエリック・ダイアーより効果的だろう。ジョバニ・ロチェルソやタンギ・エンドンベレといった中盤の同僚を前線へと突き動かし、攻撃的な特長を発揮させやすい中盤中央の1枚として、モウリーニョに重宝される様子は想像に難くない。ハートとホイビュルグは強烈なリーダーシップもあり、頼もしい新オプションと言える。

右サイドバックでおススメは……。

 守備力の補強では、昨夏に去ったキーラン・トリッピアー(現A・マドリー)の後釜を獲らなかった右SBが火急の課題で、クラブも動いている。

 モウリーニョは攻撃的で気迫を前面に押し出すタイプのセルジュ・オーリエを多用することになったが、守備面では冷静さを欠いて痛恨のミスを犯すシーンも多かった。今夏の獲得候補としては、SBとしてはモウリーニョ好みの長身で、攻守も左右両用のベルギー代表ティモシー・カスターニュ(アタランタ)、そのアイルランド人版と言えるマット・ドハティー(ウォルバーハンプトン)らの名前が挙がっている。

 個人的には国産の20歳、親戚関係にある隣人からトッテナムの接触を聞き及んでいたマックス・アーロンズ(ノリッジ)なども、2部に落ちた所属先の財務事情につけ込んで移籍金を抑えられれば、賢い補強の範疇だと思える。

【次ページ】 デル・アリの蘇生こそ最優先。

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