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モウリーニョ、トッテナムを蘇生。
地味でも期待大な2年目のタイトル。

posted2020/08/31 11:40

 
モウリーニョ、トッテナムを蘇生。地味でも期待大な2年目のタイトル。<Number Web> photograph by Getty Images

停滞したトッテナムを立て直したモウリーニョ監督。2020-21シーズンにさらなる存在感を見せるのか。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 昨年11月の13節以降、つまり昨季の残り3分の2で奪った勝ち星の数はリバプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドに次ぐプレミアリーグ4番手。と言っても、これは実際に4位だったチェルシーの話ではなく、得失点差で6位となったトッテナムのことだ。

 マウリシオ・ポチェッティーノ監督の解任を受け、トッテナムはリーグ13試合目からジョゼ・モウリーニョ体制が始まった。その指揮官曰く「トップ4」のパフォーマンスで監督交代時の14位から6位まで浮上してシーズンを終えた。

 一昨季はリーグ4位でCLファイナリストだったチームが無冠の6位に終わっても、モウリーニョは評価に値する仕事をしたと言ってよい。

ケインとソン・フンミンが戦線離脱も。

 自身の監督キャリアで初となる途中登板で率いたチームは、CL決勝の敗戦による虚脱感が尾を引くなか、まさかの低迷とポチェッティーノ解任によるショックに揺れ、歯車が噛み合わない状態だった。

 日程の過密化が始まるタイミングでの就任では、打ちひしがれた選手たちのメンタルのリカバリーに割ける時間は限られる。当然、ハイラインで果敢に攻める前任者のスタイルとは一線を画す、堅守速攻を基本とする自身のスタイルを浸透させる時間としては十分ではない。加えて後半戦は、ハリー・ケインとソン・フンミンという前線の柱が怪我で戦列を離れる不運にも見舞われた。

 それでもモウリーニョは、12試合でわずか3勝にとどまり、14ポイントしか獲得できていなかったチームの「結果」を大幅に改善した。

 だからこそファンは、モウリーニョ体制で迎える初のフルシーズンに前向きなのだろう。

 少なくとも、筆者と同じ西ロンドンに住みながら心は常に北ロンドンという近所のトッテナム・サポーター数名を見る限り、宿敵アーセナルがFAカップで優勝しても、ライバルのチェルシーが積極補強の夏を過ごしても、ムードは明るい。

 シーズンチケットを持つ1人は「当分無観客だろうから、スタンドで『守ってばっかり』とか『つまらない』とかボヤく必要もないし(苦笑)、終わってみれば、久しぶりに優勝トロフィーを拝めるシーズンになるような気がするよ」と、なんとも英国人らしい皮肉をまじえながら期待感を述べていた。

【次ページ】 守備重視は何かと否定されがちだが。

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