熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ロナウジーニョ半年ぶり自由の身。
ようやくの釈放、出費は1億円超?
posted2020/08/31 07:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
AFP/AFLO
長い長い悪夢のような日々が、ようやく終わった。
3月4日、パラグアイの首都アシンシオンの国際空港に到着した際に入国審査でパラグアイの偽造パスポートを提示して拘束、逮捕されてから実に174日目の8月24日、アスシオンの裁判所がロナウジーニョに罰金9万ドル(約954万円)を、兄アシスに罰金11万ドル(約1166万円)を科した。
そして今後、ロナウジーニョは住所を変更する場合はブラジルの司法当局に連絡すること、アシスは今後2年間、ブラジルの司法当局に4カ月毎に出頭することを条件に2人を釈放した。
自身のインスタグラムで、ロナウジーニョは釈放に向けて尽力してくれたブラジル人弁護士らスタッフ、そして励ましの言葉を送ってくれたファンに感謝した。
2人は、翌25日正午過ぎ、アスンシオン国際空港をチャーター便で飛び立ち、午後4時半、自宅があるリオデジャネイロの国際空港へ到着した。
いずれの空港でも大勢のメディア関係者やファンに囲まれたが、固い表情でノーコメントを貫いた。
奇怪な事件を改めて振り返ると。
この奇怪な事件を、改めて振り返ってみよう。
ロナウジーニョとアシスは、パラグアイの女性実業家ダリア・ロペスの招きで恵まれない子供たちのための慈善事業や自伝のプロモーションなどのイベントに参加する、という触れ込みで3月4日、母国ブラジルからアスンシオン入りした。
その際、入国検査管にロペスから予め渡されていたパラグアイのパスポートを提示したのだが、それが偽造されたものであったことが発覚。この日の夜、滞在先のホテルで拘束された。翌5日、検察庁で約8時間に及ぶ取り調べを受けた。
6日も長時間の取り調べを受けてホテルへ戻った後、深夜の飛行機でブラジルへの逃亡を企てて失敗。アスンシオン市内の警察の留置所に収監された。